会社を倒産できず無理や我慢をしてしまう理由～破産ができないワケ～

「法人破産をしたいが迷惑をかけてしまう人のことを考えると躊躇してしまう…」
「法人破産をする上でさまざまな支障がでることを考えると破産ができない…」

法人破産を考えたときに、経営者が思いとどまってしまう理由はその背景によってさまざまかと思います。ただ実際に、できれば破産がしたいのだが現実を踏まえるとそれができない…と困っている方もいるのではないでしょうか？

そこで本記事では、「経営者が会社を倒産できず無理をしてしまう理由」をテーマにお届けしていきます。

なぜ会社を倒産せず我慢してしまう経営者がいるのか？

明らかに経営が傾いている状態で赤字が続いていても、倒産せずに経営を続けている会社もありますが、それはなぜでしょうか？理由はいくつか考えられるものの、その一つとしては法人破産をさせたいが、迷惑をかけられないという思いからギリギリまで頑張り続けているということが考えられます。また、経営者自身が将来を考えたときに、不安で決断ができないということも挙げられます。

連帯保証人に迷惑をかけてしまうから頑張らなければならない…

中小企業の社長は銀行などから借入をする場合、基本的にその代表者が連帯保証人になります。また、その親族や家族、友人などが連帯保証人として個人保証を求められることもあります。実際に法人破産と同時に代表者も自己破産することが多いのですが、それはこの連帯保証人が密接に関係しているのです。

連帯保証人について

そもそも連帯保証人の仕組みとしては、会社が借入を返済できない場合において、支払いの責任が連帯保証人に移るものになります。仮に法人破産と代表者が自己破産した場合、返済されていない分の請求に関しては、別の連帯保証人である友人や親族が責任を負う必要があるのです。

増える連帯保証人

倒産すると連帯保証人に迷惑がかかるため、別の方法で資金調達しながら立て直しを考えるかと思います。ただし、ここに落とし穴があるのですが、別の方法にて資金調達をすればさらに連帯保証人が増えることになります。立て直しができなければ借入額は膨れ上がり、それぞれの連帯保証人が被害を被ってしまうので、傷口は広がるのです。

ここで覚えておいていただきたいのが、このように裏目にでてしまうこともあるため、早い段階で破産を決断した方が、被害を抑えられる可能性があるということです。

従業員への迷惑を考えると無理をしてでも事業を継続しなくては…

業績が悪化しても、なんとかして従業員の雇用を守るという思いから、事業を継続してしまうことがあります。倒産すれば、従業員が仕事を失うことになってしまいますので、迷惑をかけることは間違いありません。しかし、従業員には雇用保険がありますし、倒産する会社の経営者ほど窮地に立たされることはないのです。倒産を選択しなければならない状況下で意思決定が遅くなることは、給与の支払いにも影響しています。

倒産後の将来に不安があって倒産に踏み切れない…

倒産してしまえば、「住まいはどうすればいいのか？」「雇用保険がない中で就職先が見つかるのだろうか…」といった不安によって、会社を倒産できずに無理をしてしまうことも考えられます。しかし、賃貸であればそのまま住み続けることができますし、もし自宅があったとしても名義がその家族であれば自己破産をしても処分されることはありません。

仮に自宅の名義が自分である場合でも、身内に買い取ってもらい、家賃を払うことで住み続けることが可能です。再就職に関しては縁もありますが、これまで経営してきた事実を評価してくれるところもあるでしょうから、再チャレンジの気持ちで就職活動をすればいずれ働き先は見つかるものです。

まとめ：会社を倒産できず無理や我慢をしてしまう理由～破産ができないワケ～

いかがでしたか？今回の内容をまとめると、

• まわりに迷惑をかけたくないという思いからが倒産できないことがある
• 迷惑をかけたくないという思いで意思決定が遅くなると被害が広がる
• 従業員に迷惑がかかることは間違いないが経営者ほど窮地にたたされることはない

ということがポイントでした。倒産を先延ばしすることによって被害が広がってしまう場合もありますので、早い段階で対処していくことが望まれます。専門家を踏まえながら、再起は可能か？それとも早い段階で破産を行った方が賢明か？という判断を下しましょう。

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