「勤めていた会社が倒産してしまったが給料が支払われていない…」
「未払いの給料はどう回収すればいいのだろうか…」
このような悩みはありませんか?
勤務していた会社が未払いの給料を残して倒産した場合、どのような手続きを行うべきなのでしょう。
従業員の給与は破産しても法律により配当の優先順位が高く、配当する財産がない場合でも救済措置を利用できます。
この記事では、未払いの給料を回収するための方法や相談口について解説していきます。
Contents
未払いの給料回収のためにはどんな弁護士に相談すべき?
勤務していた会社が給与未払いのまま倒産した場合、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、未払い分の給与を計算し、法的手続きなどを用いて回収できる可能性が高くなるためです。もし支払いが大幅に遅れている場合では、遅延損害金も請求できます。
弁護士を選ぶ際には、
- 給与未払いを含む労働問題の経験が豊富
- 手続きや専門的な知識について丁寧に解説してくれる
- 依頼者の話を丁寧に聞いてくれる
- 企業との交渉が得意
上記に当てはまる弁護士を選ぶとよいでしょう。
初回カウンセリングは無料の事務所も多くありますので、気になるところを何か所かピックアップした上で相談し選択するとよいでしょう。
会社が倒産した際の給与回収手順
続いて、倒産した会社から給与を回収する手順を見ていきましょう。
弁護士に依頼するまで
まずは電話やホームページから相談予約をして、面談日当日では提示できる書類を持参した上で現在の状況について弁護士に話しましょう。弁護士からの提案が納得できるものであれば、実際に依頼します。
未払いの給料回収の場合ですと着手金は無料~10万円程度、成功報酬は回収した金額の2割~3割程度が相場になります。その他、手続きに必要な手数料や訴訟費用がかかる可能性もあるので、その都度確認しましょう。
元勤務会社への交渉
続いて、倒産した元勤務会社へ交渉を行います。
内容証明郵便を送付したり、文書提出の手続きをしつつ未払いとなっている分の給与を請求したりします。
会社側が交渉に応じて和解すれば手続きはここで終了となり、給料の支払いを受けて成功報酬を弁護士に支払いましょう。
和解しなかった場合は?
もし、会社側が和解に応じなかった場合は「労働審判」という手続きに移ります。
労働審判とは、事業主と従業員に起こった問題を解決するための裁判であり、迅速に問題解決をすることを目的に3回ほどで判決が下されます。
労働審判で判決が出た後も支払いがない場合には強制執行ができますが、解決自体ができない場合であれば訴訟を行います。
未払賃金立替制度も活用しよう
未払賃金立替制度は、会社が倒産してしまった時に未払い給料を一定額国が立て替える制度のことです。
建て替えられる金額は未払い賃金の8割とされており、年齢によっても上限が下記のように異なります。
【退職時30歳未満】 |
未払い給料総額の上限:110万円 立て替えられる上限:88万円 |
【退職時30歳~45歳】 |
未払い給料総額の上限:220万円 立て替えられる上限:176万円 |
【退職時45歳歳以上】 |
未払い給料総額の上限:370万円 立て替えられる上限:296万円 |
全国各地の労働基準監督署や、労働者健康安全機構で受け付けており、出勤していた証拠になるタイムカードや、給与明細等の書類と「未払賃金の立替払請求書」を提出します。
問題がない限り、30日以内に振り込まれます。
まとめ:未払いの給料を回収するならまずは弁護士に相談しよう
会社倒産で勤務先を失うだけでなく、働いた分のお給料が支払われなければ不安な気持ちは強くなってしまうと思います。
本文中でご紹介したように、弁護士による交渉や未払賃金立替制度の活用など道はありますので専門家と相談しながら最適な方法をお選びください。