景気低迷が続く中、その影響を受けやすいのが中小企業です。年間で考えると多くの中小企業が残念ながら倒産の道を選んでいますが、その理由一体何なのでしょうか?
そこで本記事では、中小企業に多い倒産理由について解説していきます。
中小企業はどのくらい倒産しているの?
実際、どれほどの中小企業が倒産しているのでしょうか。
東京商工リサーチの全国企業倒産データによると、
2014年 | 9731件 |
2015年 | 8812件 |
2016年 | 8446件 |
2017年 | 8405件 |
2018年 | 8235件 |
2019年 | 8383件 |
上記のように1万件近い企業が倒産しています。企業の大半は中小企業ですので、毎年約8000件近い中小企業が、倒産していると言えるでしょう。
また、2020年は新型コロナウイルス関連倒産もありますので、昨年と比較して倒産件数は多くなることが予想されます。
倒産理由として多い理由3選
では、倒産理由として多いものを3つ見ていきましょう。
売上の低下
倒産してしまう最大の理由は売上不振によるものです。
売上不振のパターンとしては、
・急激に売上が落ちる ・徐々に低下していく |
という2つのケースがあります。
急激に売上が落ちた場合は、原因を突き止めるだけでなく迅速に経営とビジネス見直しが求められるでしょう。
段々と売上が落ちていく場合にも、いかに状況を把握して対処するかが求められます。指標などを利用し、市場での位置や顧客のニーズを把握した上で戦略を立てていきましょう。
一般的に用いられる経営指標としては、
- 安全性(B/S)
- 収益性(損益計算書、ROA、ROE等)
- 資金繰り(在庫回転率等)
上記が挙げられます。
売上に問題がなくとも、経営指標を用いることで自社の経営状態やライバル他社とのバランスをより詳しく知ることが出来ます。
業績の把握ができていない
売上不振に準ずる倒産理由として、「自社の状態を正確に把握できていない」というものがあります。
特に歴史の長い会社に多く、先代の資産で経営できているにも関わらず「業績が安定している」と誤認してしまい、対策を講じることなく倒産に繋がることもあります。これを「既往のしわ寄せ」と呼びます。
また、中小企業の場合はたった1件の貸し倒れも甚大な影響を及ぼしかねません。大企業と比べて資金的が弱い中小企業は、数千万円の貸し倒れが1件あるだけで資金がショートする可能性もあるのです。
事業用保険には、貸し倒れに備えるものもありますので、日頃からそのようなものを利用してもよいでしょう。
ビジネスモデルと不良在庫
経営状態が悪化する理由として無視できないのが「ビジネスモデルが時代に合っていない」というものです。
市場のニーズは時代によってさまざま変わり、単なる流行だけでなくモラルや倫理感も変化していきます。
旧来の価値観を推し続けていくだけではなく、その時々にあわせて新しいものにしていかなければなりません。
また、目先の流行を追ってしまっていては、ビジネス自体の寿命を縮めてしまうこともあります。
先を読んで行動せずに流行が訪れてから開発していては、不良在庫を抱える可能性が高いのです。不良在庫を赤字計上すると、決算書に影響が出るため計上しないまま保有しているところも少なからずあります。
保管するにも費用が必要ですので、中長期的に見れば経営悪化の原因のひとつと言えるのです。
まとめ:経営者必見!中小企業に多い倒産理由とは?
会社経営を続けてらっしゃる方にとっては少し縁起が悪い話題だったかもしれませんが、倒産を避けるためや対策を立てるために倒産の理由を知ることは大切です。
人手や後継者不足など苦しい面も多いですが、経営を持続していく場合でも出口戦略を模索していく場合でも、会社の現状や資金のフローを正確に把握していきましょう。