「廃業と倒産という言葉はよく耳にするが違いはあるのだろうか…」
「廃業を選ぶことにはメリットはあるのだろうか…」
このような疑問はありませんか?
ニュースや新聞、インターネットなどでよく「〇〇会社が倒産した」や「〇〇が廃業した」という言葉を見ると思います。
「倒産」や「廃業」と聞くと同じイメージを持つことが多いと思いますが、それぞれには違いがあるのです。
そこで今回は、この2つの違いを分かりやすく解説していきます。自身の会社がどちらを選ぶべきなのか参考になれば幸いです。
廃業と倒産の簡単な違いについて
まずは、廃業と倒産の何が違うのか簡単に理解しておきましょう。
端的に言うと、廃業とは「単純に事業をやめること」を指し、倒産とは「債務などが大きくなり事業をやめるしかなくなったこと」を指します。
廃業と倒産では手続きも違ってきますので、事前にどちらを選ぶかしっかりと決め、準備を進めることが大事です。
倒産ではなく廃業を選ぶメリット・デメリット
ここからは、倒産ではなく廃業を選ぶことでどのようなメリット・デメリットがあるのか簡単に解説していきます。
廃業を選ぶメリットについて
廃業を行うメリットは主に以下の3つです。
- 資金繰りや経営上の苦労からの解放される
- 債権者に迷惑をかけずに済む
- 早めに決断することで、再出発資金や老後資金を残せる可能性も
1.資金繰りや経営上の苦労からの解放される
金融機関との交渉であったり、資金繰りを考えるのは非常に神経をすり減らすものです。しかし、廃業することによってこれらの苦労から解放され、精神的に負担がなくなれば、次の一歩を踏み出しやすくなります。
2.債権者に迷惑をかけずに済む
業績悪化によって廃業するとなっても、早い段階で決断すれば従業員への給与や退職金の支払いもできますし、債権者などを含む関係者にあまり迷惑をかけずに済みます。
3.早めに決断することで、再出発資金や老後資金を残せる可能性も
これは収益が大きい企業が急に業績を悪化した場合に起こり得ることなのですが、まだ会社の資産が残っている状態で廃業することで債務を完済した後でも、残金で退職慰労金などの分配金を支払えることができるかもしれません。
廃業を選ぶデメリットについて
逆にどのようなデメリットがあるのでしょうか。
- 収入源がなくなってしまう
- 従業員が職を失ってしまう
1.収入源がなくなってしまう
事業をやめるということは当然ですが収入がなくなり、役員報酬なども入ってきません。そのため、廃業する前に「再就職の検討」から「今後の生活費の捻出」など生活設計をしていく必要があります。
だからこそ、メリットにも書いたとおり「早めに廃業の決断をする」ことが大事なのです。そうすることで、多少の余裕が生まれる可能性があります。
2.従業員が職を失ってしまう
廃業すると、今まで働いてきてくれた従業員を解雇しなくてはいけません。解雇するということは、従業員たちも収入がなくなることを意味しています。
トラブルを回避するためには、退職金の支払いであったり、失業保険などの生活保障の説明など、しっかりと行う必要があります。
まとめ:「廃業」と「倒産」は何が違うの?廃業を選ぶメリット・デメリットも解説
今回の記事をまとめると以下のようになります。
- 「廃業」と「倒産」は自ら事業をやめるか、辞めざるを得ないかの差
- 倒産ではなく廃業を早い段階で決めることでメリットが多い
- 廃業にはメリットもあるがデメリットもある
倒産も廃業も事業をやめることに変わりはありません。しかし、どちらを選ぶかによって今後の対応が変わってきますし、場合によっては早い段階で選ぶことで次の一歩が踏み出しやすくなります。
事業に行き詰まりを感じれば、廃業に限らず早い段階でのさまざまな決断が必要です。