2021.1.25

破産を考えた際にまずは知るべき「法人破産」と「個人破産」の概要

破産と聞けば、どのような制度であるのかは大体の見当がつくかと思います。しかし、破産の経験がなければ、その概要について分からないことのほうが多いでしょう。また、破産はマイナスなイメージがあるため、その内容に誤解をされている方も少なくありません。

そこで本記事では、破産を考えた際にまずは知るべき「法人破産」と「個人破産」の概要を解説していきます。

破産の概要

法人破産をするとなれば、一般的には法人と経営者個人が同時に破産申請するケースが多くあります。それは、借入の連帯保証人が経営者個人になっていたり、会社の資金不足を経営者が工面したりするためです。

法人破産の概要

そもそも法人破産は、財産をすべて換価処分し債権者に弁済するものです。裁判所に破産申立てを行い、破産手続き開始決定が出されると破産管財人が選ばれ、財産の分配は破産管財人により行われます。法人破産の期間としては早ければ3カ月、長いものでも1年ほどで終了します。

法人破産のメリット

法人破産のメリットとしては、負債が消滅して資金繰りに悩まなくて済むという点が挙げられます。資金繰りに追われて過ごす日々は、いかに強いメンタルを持つ方であっても大変辛いもので、それが解消されるだけでも再出発への余裕が生まれます。また、弁護士に依頼すれば窓口が弁護士に代わるため、債権者からの取立ても基本的になくなる点も大きなメリットです。弁護士費用や予納金の費用は捻出する必要がありますので、取り返しのつかない段階までいかない間に、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。

個人破産の概要

法人破産と同時にされることの多い個人破産には免責という制度があり、法律上の支払い義務が免除されます。個人破産には同時廃止型と管財型があり、同時廃止型は換価処分する財産がない場合に行われ、手続きも早く完了します。管財型は、個人の財産がある場合に管財人が換価処分し、債権者に分配するものです。

個人破産をすると選挙権がなくなったり、戸籍や住民票に記載されると思われている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。個人破産の制度は再スタートを切るために設けられているものですので、そのような心配はありません。

個人破産のメリット

個人破産のメリットとしては、先述したように免責がありますので、支払いに追われることがなくなる点です。すべての財産が処分されたり、資格を使った仕事ができなくなるという誤解もありますが、最低限の財産所持(自由財産)は許されていますし、資格の仕事ができないというのは一時的なものになります。※自由財産…現金は99万円まで自由財産であるとされています。また、自由財産の拡張により、破産法に定められた自由財産に含まれない財産も所有することが認められます。

デメリットとしては、個人での借入やクレジットカードの作成が、5年~10年できなくなる点です。ただし、家族カードやデビットカードは利用することができますので、すべてのカードが利用できなくなるという心配はありません。

まとめ:破産を考えた際にまずは知るべき「法人破産」と「個人破産」の概要

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 法人破産は破産管財人が財産を換価処分し債権者に弁済する
  • 法人破産と個人破産は同時に行うケースが多い
  • 法人破産のメリットは負債が消滅して資金繰りに悩まなくて済むという点
  • 個人破産は免責により支払いが免除される

という点がポイントでした。破産については普段触れるものではないため、多くの誤解が生まれ、さまざまな風説に惑わされることがあります。しかし、破産は再スタートを切るための制度ですので、正しい情報を得て行動に移していきましょう。

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