個人事業主の中には、「個人だと融資を受けにくい」と考えている方も少なくないかもしれません。しかし、事業を運営していくためには設備や運転資金が必要ですよね。
この記事では、個人事業主が銀行融資を受けるときの難易度や注意点について、解説していきます。
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個人事業主でも銀行融資は利用可能
個人事業主でも、銀行融資を受けることはもちろん可能です。どのような町にも個人商店や自営業のお店があると思いますし、それらのお店や事業者の方も、銀行などから融資を受けてビジネスを行っているのです。
ただし、どのような個人事業主であっても銀行から融資を受けられるか?というとそうではありません。
次項から、銀行融資を申請する際に気を付けたい注意点について解説していきます。
個人事業主が銀行に融資を申し込む際の注意点
個人事業主の方が融資獲得を狙うとき、以下のポイントに注意しておきましょう。
開業届を出している
開業届は、事業を始めることを申告する書類です。実際、開業届を提出しないで事業を行っている方もいますが、銀行からの融資を受けたい場合は必ず管轄の税務署に提出しておきましょう。
知っておきたいポイントとしては、開業届で記載した職業欄によって税率が変わるということです。また、国税庁としては非課税であっても、自治体の規律では税金が発生することもあります。
ちなみに、開業届を提出することで、
- 青色申告ができる
- 法人用の銀行口座ができる
といったメリットも存在します。
青色申告は100,000円あるいは550,000円の特別控除(e-Tax による申告又は電子帳簿保存を行うと650,000円)が受けられるため、白色で確定申告するよりも開業届と青色申告承認申請書を提出したほうが節税にも繋がります。
また、BtoBの取引を行う場合は法人用の銀行口座を使うことも多いかと思いますが、開業届を出しておけば屋号の銀行口座も作れるので、仕事用の帳簿付けや確定申告書の作成もしやすくなるでしょう。
確定申告をしている
個人事業主の方が銀行の融資を利用する場合は、確定申告書の提出が必須となります。
これは、法人の決算書と同様に事業において適切に取引を行い、税金を納めていることの証明になるので必要なのです。
銀行へ融資の申し込みを行う場合は、2年分の確定申告書を提出しなければなりません。
過去の確定申告書もなくさないように保管しておきましょう。
銀行融資で重視される点
銀行側が、個人事業主に融資をする際に重視するポイントについてお知らせします。
業績
他の金融機関もそうですが、銀行は貸し倒れリスクを嫌がります。そのため、個人事業主であっても業績が悪かったり赤字続きだと融資をしてくれません。
業績が悪くなってからより、あらかじめ事業に資金が必要そうだと判断した時点で、申し込むとよいかもしれませんね。
貸借対照表
個人事業主の場合、実際は貸借対照表の提出は必須ではありません。
しかし、傾向として個人事業主は生活費などを計上することも可能なので、事業上のお金の流れが分かる貸借対照表を提出するとよいでしょう。
どのみち青色申告にする場合は貸借対照表を作らなければいけないため、どうせなら融資獲得のために活用してしまいましょう。
フリーランスも利用できる新型コロナウイルス関係の制度は?
新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響を受けたフリーランスの人に向けた、助成金や補助金の制度もあります。
事業に関する制度としては、以下のような内容のものがあります。
【資金繰り支援策】
- 借入金:上限3,000万円
- 担保等:無利子/無担保/信用保証料減免
- 管轄:都道府県
【新型コロナウイルス感染症特別貸付】
- 借入金:上限6,000万円
- 担保等:一定の基準まで無利子/無担保/
- 管轄:日本政策金融公庫
※・・・売り上げの低下率の規定あり
【新型コロナウイルス感染症特別貸付危機対応融資】
- 借入金:上限3億円
- 担保等:無担保
- 管轄:商工組合中央金庫
※・・・売り上げの低下率の規定あり
まとめ:個人事業主であっても銀行融資を受ける事は可能なのか?
今回は、個人事業主が銀行融資を受ける際のポイントについてまとめました。
開業届を出す、確定申告書を提出するといった要素を押さえ、貸借対照表で事業をアピールすれば融資獲得の可能性はあります。
銀行以外にも個人事業主が融資を受けられる機関はありますので、調べることで最適な融資先が見つかるでしょう。