失業保険は会社を自己都合もしくは会社都合で退職した場合に、再就職まで受給できる支援制度のことです。
しかし、個人事業主や会社経営を行っていた人が倒産などで職を失った場合は、失業保険はもらえるのでしょうか?
そこで本記事では、個人事業主や経営者の失業保険について解説していきます。
Contents
失業保険や失業給付とはどのような制度?
まずは、失業保険がどのような制度かについておさらいしていきましょう。
会社に勤めていると、雇用保険に加入し毎月のお給料から保険料が天引きされていると思います。この雇用保険に加入している人が退職した場合、再就職が決まるまで失業手当が支給されます。
ただし、失業した人全員が失業保険を受給できるわけではなく、以下の条件を満たすことが必要です。
- 就職する意志がある
- いつでも就職できる能力がある
- 失業するまでの2年間で雇用保険加入期間が通算で12ヶ月を超える
退職が視野にある人は以上の条件にあてはまるかチェックしてみてください。
条件をクリアした人はハローワークで手続きを行い、7日後に受給の可否が決定します。ただし、実際に失業保険が振り込まれるのは申請から1ヵ月後となっていますので注意しましょう。
失業保険が受給できる期間は失業した理由、保険加入期間、その人の年齢によって変わります。
失業給付を受給する際の条件について押さえよう
失業保険受給のためには、他にも条件があります。
【特定理由離職者】 特定理由離職者とは、自分の意志ではない離職理由がある際に認められます。 |
・契約期間更新を望んだにも関わらず認められなかった ・出産、育児等が原因で仕事を辞めて失業保険延長措置を認められた人 ・親の介護や家族等家庭の事情によってやむを得ず退職した ・特定の理由が原因で通勤ができなくなった人 ・会社側の事情で希望退職した人 |
【特定受給資格者】 |
・会社が倒産した ・会社都合で解雇された ・上記いずれかに当てはまり離職までの過去1年間で6ヶ月保険に入っていた |
経営者や取締役は対象にはならない
この通り、失業保険は従業員の再就職を経済的にサポートするための制度です。
会社経営者や取締役は労働者ではなく、会社を経営して人を扱う立場ですので失業保険の対象にはなりません。
では、従業員として長年勤めていて役員に昇進し離職した、役員という役職が付きながらも従業員として労働していた…という場合はどうなるのでしょうか?
まず、「長年にわたり雇用保険を支払ってきた人」は過去2年の保険加入期間がカギとなります。先ほども紹介した通り、離職した日からさかのぼって2年間の間に12ヶ月雇用保険に入っていなければなりません。つまり、役員に昇進したばかりの時期であれば対象になるということですね。
また、役員でありながらも店舗や工場などで勤務していた場合は労働者としての性格が強く失業保険が受け取れる例もあります。そのような場合には、兼務役員であったことを証明する手続きが別途必要です。
個人事業主は失業保険をもらうことはできる?
自営業やフリーランス等の個人事業主の場合は、失業保険の対象外です。そのため、廃業してしまったとしても失業手当は受給できません。
ただし、会社を退職してフリーランスとして開業した場合は、「再就職手当」が受給できます。再就職手当を受給したい人は開業届を出すタイミングに注意しましょう。
まとめ:会社が倒産したら経営者も失業保険を受け取れる?
いかがでしたか?今回は会社が倒産したら経営者も失業保険を受け取れるか?というテーマでお届けしてきました。
失業保険は基本的に労働者のための支援制度であるため、役員や個人事業主は一部例外を除き受給対象にはなりません。
ですので、事業を続けられない場合に備えて、自分で資金を準備しておくことをおすすめします。