現在の日本では多くの企業が人手不足の悩みを抱えており、その問題は倒産にもつながります。そして、仕事はあるのに人員が足りていない状態に陥ってしまうケースも珍しくないのです。
この記事では、人手不足倒産をしてしまう企業が抱えている問題と、解消方法について解説していきます。
Contents
そもそも人手不足とは?
会社における人手不足は、文字通りその会社で働く人員が不足することにより、事業が行えない、もしくは行いにくい状態になることを指しています。人手不足により、社員一人当たりの負担が増え、さらに離職するという負の連鎖が起こることもあります。
人手不足の現状
帝国データバンクの『人手不足に対する企業の動向調査(2020年7月)』によると、コロナ渦でホテル・旅館などは人手で過剰になっているものの、以前として建設業界では、51.9%と高い人手不足の状態です。また、「メンテナンス・警備・検査」「農・林・水産」など、人手割合不足の減少が見られるものの、不足は4割台となっています。昨今の感染症により、雇用が大幅に変化しているものの、業種により依然として人材不足を感じているのです。
参考:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p200805.html
人手不足倒産してしまう企業が抱える問題と対策
日本では少子化が進むことで労働人口は減り続け、社会全体が人手不足に陥ってしまっています。しかし、中には人員が不足していない企業も存在しているため、人手不足倒産をする企業には何らかの問題があるとも言えるでしょう。
人手不足倒産をしてしまう企業が抱えている問題にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、その解消法もあわせて説明します。
賃金が労働に見合っていない
企業で行う労働が賃金に見合っていないと、どんなに求人をかけても人材が集まりにくくなります。労働の内容に適した賃金がなければ、やがて既存の社員も離れて行ってしまうでしょう。
また、労働者の賃金は働き方の見直しなどで年々高騰していますので、過去と同じ賃金が今も通用するとは限らないのです。求人をかけても応募が少ないと感じるのであれば、自社の賃金について考えてみるべきでしょう。
同じタイプの人材ばかりを求めている
今まで求めていたタイプの労働力はどんどん減少していきます。同じ労働基準・人材ばかりを求めても、人手不足を解消させられない可能性が高いのです。今までに主戦力としてこなかった子育て世代の女性・定年後のシニア世代などを採用対象とします。
その労働者が働きやすい労働環境を整える必要がありますが、今までにないようなアイデアを手に入れることも出来るでしょう。
労働環境が整っていない
パワハラ・休日出勤・サービス残業など働きにくい労働環境で働きたいと思う人はいません。
このような企業からは優れた人材ほど早く離れてしまうのです。社内の人間関係に問題がある場合には、簡単に改善できる問題でないこともありますが、全体の労働環境を見直し、社内を風通しの良いものにする必要があるでしょう。
余剰人員が発生している
余剰人員がいるのに人手不足倒産するというのは矛盾した考えですが、必要な場所は人手不足・不要な場所が余剰人員になってしまっている状態です。また、IT業界のように日々技術が進み続けている業界では、新しい技術に対応できない技術者は人員として会社に在籍していても人手不足の状態を解消することができません。
社内の人員配備が正しいものであるかに注意し、新しい技術に全ての社員が対応できるような制度を考える必要があります。
教育制度や評価制度が整備されていない
社内で教育制度が整っていないと、基本的な知識を持たない社員が役職についている場合もあります。知識不足の社員が新しい社員に教育をするような状態である、負のループが始まってしまうでしょう。
また、評価制度が整備されていない企業では、努力や能力が正当に報われないことで社員のやる気が失われます。教育制度や評価制度については、他者の環境を知らずに社員に目を向けていない経営陣は気がつくこともできない場合が多いのです。
まとめ:人手不足倒産してしまう企業が抱える問題!人手不足の現状は?
今回は、人手不足倒産になってしまう企業が抱える問題と、実際にその問題に対して必要な対策について説明しました。人手不足倒産に至る前に、早い段階で問題への対策を考えましょう。少しでも早く対応をとることで、倒産を避けられる可能性が高くなります。
おすすめ関連記事
人手不足倒産は嘘?人手不足倒産の真実とは!
人手不足倒産のメカニズムについて例を挙げて解説!
人手不足倒産の意味と日本経済に与える影響について