企業が事業活動を続けることが困難になってしまうことを倒産と言いますが、その中でも最近増えている倒産の理由に「人手不足倒産」というものがあります。
この記事では、「人手不足倒産」とは何か?そしてその原因について解説していきます。
人手不足倒産とは?
人手不足倒産は文字通り、人手不足が原因で会社が倒産してしまうことです。業務を続けることが難しいほど社員が不足し、その問題を解決する手段が見つからなかった場合に発生します。
また人手不足に該当する人手は社員だけでなく、アルバイトやパートが不足することもありますし、中には経営者が足りない事例もあるでしょう。現在、日本の人手不足倒産は年々増加しており、今後も増え続けることが予測されています。
人手不足倒産の種類
人手不足倒産にはいくつかの種類があります。それぞれの種類について理解しておきましょう。
求人難による人手不足
企業が求人募集を行っても、求める人が集まらずに倒産してしまうことです。特に現在人気が低い業種の企業で発生しやすいと言われています。
従業員の退職による人手不足
退職や転職で優れた人材が流出してしまい、その人材が持っていたノウハウやスキルも失ってしまうことです。業務の共有ができていない企業で発生しやすいでしょう。
雇用を維持できなくなることによる人手不足
社会的に働く環境が見直されており、最低賃金の引き上げが続いています。企業によってはその人件費の高騰に対応できず、優れた人材を維持できない問題を抱えてしまうことがあるのです。
人手不足倒産の原因
人手不足倒産の原因は一つではなく、いくつもの要因が関係していることが多いです。ここからは、具体的に人手不足倒産の原因を深堀して解説していきます。
労働者人口が減少している
日本では全体の人口が徐々に減少しており、さらに少子高齢化も進んでいます。そのため、労働者人口は早いスピードで減り続けているのです。つまり企業の需要に対して労働者人口が不足する状態になりますので、多くの企業で人手不足が起こりやすくなります。
採用方法や求める人材に問題がある
優秀な人材を求め、人材を育成する意識がない企業に発生しやすい人手不足倒産の原因です。
いつも同じタイプの人材を求めてしまうことで人材の多様化が進まず、企業としての成長が期待できなくなってしまうこともあるでしょう。
賃金が労働に見合っていない
業務に見合わないような賃金では人材は集まりません。対価に見合わない企業で求人募集を出しても人手不足の解消は難しくなるでしょう。また、賃金が労働に見合っていない企業では現在人手不足でない場合も、今後人材の流出が発生する可能性が高くなります。
人材が企業に定着しない
業務にやりがいがない・労働環境が悪い・教育環境や評価制度が整っていないなどの理由で優れた人材が他の企業に流出してしまうことがあります。賃金が悪くない場合にも起こり得る問題です。
ノウハウの蓄積ができていない
業務の共有化ができておらず、人材の流出または退職時に人材とともに仕事のノウハウやスキルも失ってしまうことで人手不足倒産につながることです。ノウハウやスキルは人材と同じように企業の資産なのです。
まとめ:人手不足倒産とは何か?人手不足倒産の原因を解説!
今回は、人手不足倒産の種類やその原因について細かく解説しました。多くの企業で問題になっている人手不足ですが、原因を理解することで早期に対策を考えられるようになるでしょう。
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