「会社の資金繰りに行き詰った…」「近い将来に資金がショートしてしまいそう…」など、経営者の資金に関する悩みはつきません。
資金繰りの方法としては会社の資産を売却するというものがあり、不要な資産を手放すことで、様々なメリットが得られます。
しかし、会社の資産売却をされたことがなければ、そのメリットについてご存知ではないですよね?
そこで本記事では、会社の資産売却についてのポイントやメリットをテーマに解説していきます。
Contents
資金調達のための手段!資産売却とは?
会社の資産売却は、資金調達はもちろんのこと財務財政の立て直しや、節税対策としても用いられます。
そもそも資産とは会社が保有している全財産のことをいい、
- 預金などの「流動資産」
- 土地建物などの「固定資産」
- 社債発行費などの「繰延資産」
以上が挙げられます。
そして、具体的には次のものが挙げられます。
- 有価証券や会員権
- 本社の土地建物ほか不動産
- 社員用社宅
- 営業権・特許権
- 品物在庫 など
これらの中で不要と判断できるものを処分して、現金化するのが資産売却です。
資産売却のポイントとメリット
資産を売却するときには、どの資産をどのタイミングで処分するのかを判断することが重要です。
資産売却のポイント
資産売却の判断ポイントとなるのは次のことです。
- 売却しようとする資産が近い将来、会社にもたらす利益はどれくらいあるのか
- 資産売却で節税効果は得られるのか
- 資産を売却せずに持ち続けた場合、維持費などはどれくらいかかるのか
- 売却することでどれくらいの利益がえられるのか
以上の点について調査し、その資産を売却することで希望の効果が得られると判断できれば、実行に移ります。
資産売却のメリット
次に資産を売却するときのメリットについてみていきます。
会社資産を売却した場合のメリットのひとつは、端的に「現金が手に入ること」です。
当然、売却益としてキャッシュが得られますので、それを資金調達費にあてることができます。
また、資産を手放すことでそれにかかっていた「維持費がなくなる」というのも大きな利点でしょう。具体的には会員権の年会費や土地建物の税金などが不要になります。
もし、含み損がある資産などを売却したのであれば、それを損益として計上できますので会社全体で節税効果が得られます。
例えば保有していた土地が、購入したときの値段よりも安い価格で売れた場合などがこれにあたります。
ほかには、「自己資本比率の改善」というメリットもあります。保有していた資産を手放して、借り入れの返却などにあてることで自己資本率はアップします。自己資産率が高いということは、金融機関などからの信頼の指標となるため、融資の条件がよくなるといったメリットにもつながります。
資産売却した際の計上方法について
会社が保有する資産を売却したのであれば、その動きを帳簿に記載する必要があります。
計上方法は、購入したときにどのように会計処理をしたのかによって異なりますので、それぞれについてみていきます。
10万円未満で購入時に全額を費用計上している場合
10万円未満の備品については、消耗品等の扱いで購入時に全額を費用計上することが認められています。その方法で計上している備品を売却した場合は、売却金額はそのまま収益として計上します。
ただし、購入した同じ年度内に売却するのであれば、生じた差額をマイナスとして計上することも可能です。
固定資産として計上している場合
会社で購入した備品で一定額以上の場合は、減価償却などの方法をとっています。この場合であれば、まず資産の売却時点で貸借対照表の固定資産をゼロにします。その上で、売却時点での帳簿価額と実際の売却益の差額を「固定資産売却益」または「固定資産売却損」として計上することになります。
消費税課税事業者については、資産売却も消費税の対象となることがありますので、必ず確認しましょう。
まとめ:会社の資産売却で資金調達をするメリットと具体的な方法
いかがでしたか?今回は、会社の資産売却についてのポイントやメリットをテーマに解説しました。
不要と判断できる資産を手放すことで、資金調達や維持費が無くなるなどのメリットが得られたり、総合的に判断して上手に対処することで、自己資産率を上げて会社の信用にもつながるという内容でした。
手元の資産について一度洗い出して、その可能性を探ってみてはいかがでしょうか。
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