2021.2.1

会社の立て直しや承継の失敗例!上手くいかないとどうなるのか

会社の立て直しや、事業承継は長く会社を続ける上で避けられない問題だと言えます。これまで数多くの会社が立て直しに挑戦してきましたが、輝くような復活を遂げた企業の裏には残念ながら無念の内に失敗に終わった例も少なからず存在しています。

しかし、そのような失敗例からも学べる部分がたくさんあります。今回は、立て直しや事業承継の失敗例から、同じ轍を踏まないためのポイントを紹介していきます。

事業承継が上手くいかなかった時

事業承継とは書いて字のごとく、事業を後継者に引き継いでいくことを指します。大手企業でも同様の問題はありますが、特に中小企業だと経営者が会社のカラーを決定づけます。同じ事業を行っていても、経営者が変われば社内の雰囲気や営業方針、ひいては商品の品質まで変わりかねません。

今現在、後継者についてお悩みの経営者の方もいらっしゃるでしょう。ここでは事業継承にありがちな失敗例について見ていきます。

親族によるトラブル

中小企業では、親子や親族間で事業承継を行う例が多く見られます。それはそれでスムーズにいけばよいのですが、トラブルが起きることも珍しくありません。

例として、経営権と株式を兄弟に分けて承継したケースがあります。経営者になった長男と、他の会社に勤務して株式のみを保有している長女の間に、配当に関するもめごとが起こります。その後引き継いだ会社の経営が傾き、配当金を支払い続けていくうちに資金繰りが悪化して、経営困難になってしまったそうです。他にも株式の割合で、親族間の派閥争いが起こることもあります。

また、引退した父が権力を保持しつづけている例も少なくないです。引退後も経営に実質的に参加しようとするせいで、社内のパワーバランスがくずれてしまい、新経営者の求心力が乏しくなる恐れがあります。そうなると、人材の確保や従業員のモチベーション保持も困難になり、事業の継続が危ぶまれる…という事態になりかねません。

後継者問題と廃業

残念なことに、多くの中小企業が後継者不足に頭を悩ませています。2019年の帝国データバンクの統計によると、国内企業の実に65.2%が後継者不在という深刻な状況です。また、後継者が見つからないまま年齢を重ね、廃業を選んだ例も相次いでいます。

会社立て直しに失敗した例

会社立て直しについて調べると、再生に成功した例が華々しく紹介されていますが、失敗した事例も存在します。

大手スーパーの立て直し失敗例

「ダイエー」は、かつて主婦の味方として大きく成長した大手スーパーで、スーパーとしては初めてチェーン展開に成功し、小売全体でもトップの売上を誇ったほど順調でした。

球団、コンビニ、出版など多角的経営に乗り出し、並行してバブル期には多くの不動産を購入していました。バブルが崩壊すると、巨額の負債が残り経営悪化が深刻化したため事業譲渡をしたり、他社の傘下にならざるを得ない状況に追い込まれました。

10年ほど金融支援を受けながら再生を目指していましたが、2014年にはイオンの子会社となりダイエーの屋号の消滅という結果を迎えました。価格を抑えるビジネスモデルのため利益が上げられなかったことや、店舗の老朽化等でコストがかさんだことなどが原因だとされています。

立て直しに失敗したら経営者の責任はどうなる?

会社の立て直しや事業承継の失敗例を紹介してきましたが、経営者の責任はどうなるのでしょうか?

破産を余儀なくされた場合の経営者の責任は、会社の借金に個人保証が付いているかどうかで変わります。無保証の融資の場合は、法人の責任は経営者に返済義務はありません。経営者が保証人となって融資を受けていた場合は、弁済義務が生じますが多くの場合、法人と個人で同時に破産手続きをして免責を受けています。

倒産=破産という印象が強いかもしれませんが、民事再生など事業を続けながら債務整理する方法もあります。もし、会社の業績悪化が深刻なレベルに達した時に迅速に次の一手が打てるよう、早めに弁護士等に相談しておきましょう。

まとめ:会社の立て直しや承継の失敗例!上手くいかないとどうなるのか

事業承継時にありがちなトラブルや立て直しの失敗例を分析すると、改善すべきポイントや平時から気を付けておくべき要素が見えてきます。承継の際は、家族に事業譲渡する場合でも細かく引継ぎをして、事前によく話し合っておくことが何より大切です。

立て直しをする時は早めに専門家に相談して、傷の浅いうちに先々の対処プランを講じておくべきと言えるでしょう。

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