会社の倒産を考えている方は、倒産すれば経営者にどのような影響があるのか気になるのではないでしょうか?
倒産や破産に至るまでの経緯は人それぞれ違うと思いますが、この記事では
法人破産後の経営者について
経営者や代表者が会社の負債を負担するケース
会社を残して代表者だけが自己破産できるか?
という3点について解説していきます。
Contents
会社倒産後は経営者の扱いはどうなる?
会社の経営難が原因で会社を倒産する時、会社の負債は代表である経営者が負担すべきなのでしょうか?
それぞれの事例によって詳細は異なりますが、原則としてはそのようなことはありません。
法律上、法人と経営者個人は分けて考えられるため会社(法人)の資産や財務は、あくまでもその会社のものだと判断されます。
たとえ、経営者の判断が原因で業績が悪化した、経営状態が悪化したという場合でもその原則は変わりません。
会社が倒産した時に代表者が負担しなければいけない例
しかし、以下のケースにあてはまる場合は経営者・代表者が会社の債務を返済しなければなりません。
連帯保証人となっている場合
会社の債務であっても、経営者が連帯保証人となっている場合は返済義務があり、倒産、あるいは破産後であってもその義務は免責されません。
銀行など、金融機関から借入する際は経営者が連帯保証人となったり、土地などを担保にすることを求められることは多くあります。
会社から貸付を受けている場合
経営者が会社から貸付を受けた場合も同様に、破産した後でも返済義務は残ります。
会社から貸付を受ける場合は以下のような事例が一般的です。
- 役員報酬の一時的な代替措置
- 経営者の個人的な利用
- 領収書が切れない時
このようなケースで会社から貸付を受ける場合の勘定科目は「役員貸付金」です。また、経営者だけでなく役員も含まれます。
会社によっては役員貸付金の管理が厳しくないところもありますが、破産後も免責されませんのできちんと金額は把握しておきましょう。
逆に経営者や役員が会社へ貸付する場合には、「役員借入金」で仕訳します。
役員借入金はルール上破産後も配当を受ける権利がありますが、対外的な印象が良くなく、破産管財人から権利取り下げを勧められることもあります。
賠償しなければならない場合
経営難が原因で倒産するという流れでは、経営者が責任を追及されることはそれほどありません。
ただし、経営者が法令に背く行動をしたことが明らかになり、それが原因で会社経営に影響を及ぼしたり損害が発生した場合は、損害賠償を支払わなければならないケースもあります。
また、業務上において大きな過失や故意による悪影響が明らかになった場合も、第三者への損害賠償となる可能性があります。
会社ではなく経営者だけが自己破産することは可能なのか?
最初に触れた通り、会社(法人)と経営者(個人)は別人格として判断されます。
そのため、会社が倒産し破産手続きを行ったとしても経営者が自己破産するとは限りませんし、その逆もしかりです。
つまり、経営者個人の借金による自己破産で会社に債務がないのであれば、必ずしも法人を清算する必要はないということです。
しかし実際には、経営者が自己破産に至る場合は会社の業績が悪いことも多く、自己破産と法人破産をしなければならないケースは多くあります。
まとめ:会社が破産・倒産した場合の経営者への影響について
今回は、会社が倒産または破産した後の経営者への影響について解説しました。
原則として会社と経営者は別で考えられますが、法人破産後は連帯保証人であったり会社との資金貸し借り等があることで、返済義務の有無は変化します。
経営者個人だけが自己破産することも可能ですが、リスクもありますので判断は慎重に行いましょう。