2021.1.6

倒産が頭をよぎる…経営者が再チャレンジするためには?

「経営が傾いているが、なかなか破産の決断ができずにいる…」

会社経営ではさまざまな決断が必要ですが、倒産間近の状況ですと「もしかするとまだなんとかなるのではないか…」という現実的ではない希望から、倒産を先延ばしにしてしまうことがあります。しかしそれは、後々の再チャレンジにも大きく悪い意味で影響してしまいます。

そこで今回は、倒産が頭をよぎる経営者に向けて、再チャレンジするためにはどう考えればよいかというテーマでお届けしていきます。

事業を継続していくことについて

会社のあるべき姿は、売上をだし利益を得ながら事業を継続していくことです。これは当たり前のことのように思えますが、その点の舵取りを間違ってしまうことがあります。会社を継続させることに執着することで、赤字が続いて再起の希望が少ないことが明らかであっても、ギリギリまでもがいてしまう…。そうなると傷口は広がり、周囲への影響も大きなものになってしまいます。

日本と海外の開廃業率

日本では平成26年1月20日に、中長期にわたる産業低迷を脱却することを目的とした産業競争力強化法が施行されました。米国と英国の開業率・廃業率10%台を目標としていましたが、日本は施行以降も変わらず3~4%の水準となっています。この数字を見ると産業活動における新陳代謝という面においては、さほど影響はないように思えますが、事業再生支援の強化により、現在ではM&Aがいっそう活性化することが期待されています。
会社の出口戦略として、倒産という出口だけでなくM&Aを実施するという選択肢も頭に入れておくとよいでしょう。

資料:日本:厚生労働省「雇用保険事業年報」、米国:United States Census Bureau「The Business Dynamics Statistics」、英国・ドイツ・フランス:eurostat

経営悪化のなか再チャレンジするために

企業の継続を目指すあまり経営が傾いている中でもがくことは、自分自身やまわりの人間を疲弊させてしまい、傷をより深くしてしまいます。傷口が広がりすぎないうちに対処を考え、再チャレンジを目指す方向に目を向けることをおすすめします。倒産には再建型と清算型がありますが、再建型の選択が厳しいようであれば、早い段階で清算型を選び次のステージに進むというのも一つの道です。

個人の復活も会社の再建も各人の姿勢に影響している

つまるところ、やはり各人の姿勢がその後の復活に影響することと思いますが、現状から逃げることなく自分が対処できることに精一杯になるしかないでしょう。傷というのは、いずれは治るように、時間とともに物事は変わっていくものです。倒産において、命を落としてしまう方もいますが、その状況は永遠には続かないものとして前を向いて進みましょう。

まだなんとかなる…が命取りに

会社の経営悪化のなかまだなんとかなるとして、手形が落ちるだけの資金をかき集めたり、友人や親族などから借入をするなどを繰り返すことによって、抜け出せない泥沼にはまってしまうことも考えられます。それであれば、新しい仕事で迷惑をかけた人達にお返しする姿勢を持つのがよいのではないでしょうか?

変化を恐れないこと

無論前々の段階で経営危機を察知すれば、幹部や社員からさまざまな意見を吸い上げ、改善策や新たな取り組みを積極的に行うべきです。また、すべてのトライがうまくいくとは限りませんが、変化しないで同じことを続けることは衰退していく一方だと考えましょう。

まとめ:倒産が頭をよぎる…経営者が再チャレンジするためには?

いかがでしたか?今回の内容をまとめると、

  • 再起が難しいなかギリギリまで経営を続けることで傷口は深くなってしまう
  • 再スタートを考えて早い段階で破産するというのも一つの手
  • 経営の危機を察知すれば新たな取り組みなどを積極的に行う

ということがポイントでした。

決断が遅くなればなるほど、復活が難しくなる場合がありますので、なるべく早い段階で社員一丸となって改善に取り組むことです。また、専門家などへの相談も早いことに越したことはありませんので、自身の力だけで解決しようとせず耳を傾けるようにしましょう。

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