会社の倒産を決めるタイミングはそれぞれであり、まだ余裕のあるうちに先を見越して決める場合もあれば、さまざまな対処をした上での決断となる場合もあります。
倒産を決めるベストなタイミングは会社の状況によって異なるため、一概には言えませんが、目安となるサインや前兆などは存在します。
そこで本記事では、「会社倒産のタイミング」をテーマにお届けしていきます。
会社倒産を決めるタイミングはいつ?
最初にご説明した通り、会社の倒産を決めるのはそれぞれのタイミングがあります。
どのような考えであっても共通して押さえておくべきなのが「手遅れになる前に手続きを行う」という点でしょう。
会社経営をしている人にとって自身の会社は、生活や人生の糧ですので簡単に見切りをつけることは難しいかもしれません。
しかし、対処方法が見つからないまま決断を先延ばしにしてしまうと、債権者の負担となってしまったり、知人や家族を巻き込んでしまいかねません。
会社を倒産させ、破産の手続きをするにも数十万円単位で費用が発生しますので、手続きができる費用があるうちに倒産を決めてしまうのも一つの方法でしょう。
また、倒産を選んだとしてもその全てが事業終了となるわけではありません。利息など一部債権をカットして事業を続けていく、「再建型」の手続きを選ぶこともできるのです。
こんな予兆がある時は注意
「まだ持ちこたえられる…」と思っていても事業で以下のような予兆がある場合、倒産が近いかもしれません。
熟考した上で、早いうちに債務整理等の手続きを検討することをおすすめします。
売掛金の回収を急ぐような状況
売掛金は仕入れなどの取引をした後、期限を設けて後日その代金を受け取る方法です。
特別な理由がない限り期限より早い請求はしませんが、会社に現金がない場合は少しでも資金を集めるために売掛金の回収を行うことがあります。
売掛金の回収を急ぐような状況が続くようであれば、それは資金繰りに問題があることが如実に現れているでしょう。
給与支払いが遅れる
従業員への給与支払いに遅延が生まれる時も要注意です。
売上を伸ばしたりして経営を安定させるためには従業員が必要不可欠ですが、給与遅配が何度も起きれば人材という会社の財産が流出してしまい、経営悪化を招く可能性があります。
急激な経費節減
経費節減自体は大切なことですが、それがあまりに厳しかったり急激なものだったりすると従業員への負担となってしまいます。
設備を古いままにしておく、出張時の交通手段が値段重視で時間がかかるといった場合は、かえって作業効率が低下し業績が振るわなくなってしまう可能性もあるでしょう。
人事やルールをよく変える
給料日や社内のルールが頻繁に変わったり、人事異動が激しかったりするのも会社の状態が不安定であることを表しています。
資金調達に追われて予告義務をないがしろにしてしまわないよう、むやみな変更はせず説明はしっかりと行いましょう。
事業に終止符を打つ際の方法は2つある
廃業する方法として、自主的に廃業するパターンと倒産によるものに分かれます。
自主的に解散する
主に株式会社などで、株主から同意を得て清算を行い、自主的に登記を閉鎖する方法もあります。
債務超過で倒産を余儀なくされる
債務の支払いが困難になり、事実上会社が破綻状態になってしまえば倒産することになってしまいます。
事業を継続できる民事再生や会社更生という手続きもありますが、継続が困難な場合には特別清算や破産手続きを行い、その会社の法人格は消滅してしまいます。
まとめ:会社倒産を決めるタイミングはいつがベスト?
倒産を会社の経営が危うくなる前に、早めに対策を練ることが何より大切です。
経営不振の理由を分析したり、対策を打っても立ち行かなくなりそうだと判断すればすぐに弁護士へ債務整理の相談をすることをおすすめします。
破産を選ぶ場合は、従業員や取引先に知らせるタイミングにも気を付けましょう。