「債務超過になっているがこの状態のまま事業を続けていいのだろうか…」
「債務超過になってしまうとどのようなデメリットがあるのだろうか…」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
債務超過は財政状況としては明らかに悪い状態であり、倒産にもつながりやすくなってしまいます。しかし、債務超過になるとどのような経営上のデメリットが生まれてしまうのか、また、事業を継続していいのかという点が分からない方もいることでしょう。
そこで本記事では、債務超過をテーマに、債務超過の解消方法や事業継続を考える上でのポイントを解説していきます。
債務超過とは?
債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回ることであり、資産をすべて売却したとしても負債を返済できない状態にあります。債務超過は破産の原因になりますので、経営において債務超過の状態は端的に危険信号であると言えます。
債務超過になれば、必ずしも倒産するということではありませんが、融資を受けることが難しくなりますし信用を失うことにもつながりますので、倒産する可能性は高いでしょう。
債務超過を解消するためには
先述のように債務超過状態では取引先の信用低下と借入が難しくなり、資金集めができなくなってしまえば負債が返せず倒産リスクは高まります。では、債務超過を解消するためにはどうすればいいのでしょうか?
まず挙げられるのが、会社の資本金を増やす増資です。増資は、経営者の方が行ってもいいですし、第三者からのものであっても問題ありません。債務超過状態が解消できれば、銀行からの融資を受けられる可能性が高まります。
また、当たり前のことではありますが、営業利益を増やすことでも債務超過を抜け出すことができます。利益を出す仕組みがあり、それが続くのであれば時間とともに債務超過は解消されます。
※営業利益とは…売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、販売費・販管費を差し引いたものになります。
会社を続けていける可能性があるかどうか
債務超過の中であっても会社を続けていける可能性があるか?という点を見極めるためには、営業利益と借金を照らし合わせて考える必要があります。目安としては、税金や社会保険料の滞納分と借金の総額が、営業利益の10年分以上ある場合には会社を続けていくことが難しくなります。
営業利益を出し続けることができれば債務超過状態であっても、その先はあるかもしれませんが、借入が厳しい上に多くの借金がある状態での経営は、現実的に考えて困難であると言えるでしょう。また、3年連続で営業利益が生めていないというのであれば、いずれは破綻する可能性が高いですので、借金の有無に関わらず会社をたたむのが賢明です。
現在では、資本金が少なくても会社を設立できるようになっているため、会社を設立したばかりであれば、設備投資や事業の出資などにより債務超過に陥りやすくなっています。ですので、経営者個人の資金でまかなったりしながらなんとか経営を続けているのであれば、事前に撤退基準を考えておくとよいでしょう。
まとめ:債務超過は危険!~営業利益と借金を照らし合わせて事業継続を考える~
いかがでしたか?今回の内容としては、
- 債務超過は企業の負債総額が資産総額を上回る状態のこと
- 債務超過は増資や営業利益をだすことで解消することができる
- 債務超過になると借入が厳しくなったり信用を落としてしまう
- 借金が営業利益の10年分以上ある場合には会社を続けていくことが難しい
というのがポイントでした。債務超過は倒産に直結するものですが、債務超過状態で事業継続を考える場合は営業利益と借金を照らし合わせて、立て直しができそうになければ会社をたたむ準備をしてはいかがでしょうか?