2020.12.23

給与が未払いのまま会社が倒産!未払賃金立替払制度を活用して給与を受け取るには?

給与を受け取る前に会社が倒産してしまい、経営者とは連絡がつかないような状態になってしまうと、多くの方は給与をもらう方法はないと諦めてしまうようです。

しかし、そのようなトラブルが発生しないよう日本には「未払賃金立替払制度」というものがあるのです。

この記事では未払賃金立替払制度の概要と、利用条件について解説していきます。

未払賃金立替払制度とは?

給与を受け取る前に会社が倒産してしまうことは、珍しい話ではありません。仕事を失うというだけでも大きなダメージであるのに、給与が受け取れないのでは、多くの従業員は路頭に迷ってしまいますね。

未払賃金立替払制度とは、国(労働基準監督署及び独立行政法人労働者健康安全機構)がこのようなトラブルを防ぐために、倒産した会社が支払わなかった賃金の一部を立替払いする制度です。

このとき支払われる給与は、国が立替払いして後から倒産した会社に請求されます。
この制度は、倒産する会社側から未払賃金立替払制度が準備されることもありますが、残念ながら通知をもらえない可能性もあります。

その場合には、未払賃金立替払制度を活用したい従業員が自分で手続きをしなくてはいけません。

受け取れる給与は満額ではない

未払賃金立替払制度で受け取ることのできる賃金は、満額ではないことも理解しておく必要があります。
対象となる賃金は基本給・残業代・深夜手当・休日手当などで、通勤手当や福利厚生は含まれずボーナスも対象外となりますが、退職金は対象内です。
そして、原則的には上記の対象内の賃金のうち最大8割が支払われますが、退職日の年齢によって未払賃金の上限も定められています。

また、未払賃金が2万円以下の場合は、未払賃金立替払制度を使用することができません。

未払賃金立替払制度を使用するための条件

未払賃金立替払制度を活用すれば、最大給与の8割を受け取ることが可能であると分かりましたが、制度を使用するためにはいくつかの条件をクリアしなくてはいけません。

未払賃金立替払制度の対象について見ていきましょう。

未払賃金立替払制度の対象となる会社

未払賃金立替払制度は、全ての会社が対象となっているわけではありませんので注意が必要です。

  1. 会社が一年以上労働者を雇って業務を行なっていた
  2. 会社が法的上の倒産か事実上の倒産をしている

未払賃金立替払制度の対象となる従業員

未払賃金立替払制度を使用するには、倒産した会社だけでなく従業員本人にもいくつかの条件があります。

  1. 未払賃金の合計が2万円以上である
  2. 会社の倒産の半年前から倒産後1年半の間に会社を退職した方
  3. 会社が倒産後2年以内に未払賃金立替払制度を利用して立替払いを請求した方

未払賃金立替払制度の注意点

未払賃金立替払制度を利用するにあたり、注意しなくてはいけないことがあります。

先ほどの未払賃金立替払制度の条件でも紹介いたしましたが、制度を利用できるのは会社の倒産から2年以内であるということです。

法律上の倒産であれば破産手続きの決定日または命令日の翌日から2年、事実上の倒産の場合は、労働基準監督署長が倒産を認定した日の翌日から2年が申請可能な期間です。

また、万が一不正な方法によって制度を利用し、給与を受け取った場合には立替払いで得た給与の2倍の金額が請求され、詐欺罪で刑事告発される可能性もあります。

まとめ:給与が未払のまま会社が倒産!未払賃金立替払制度を活用して給与を受け取るには?

給与が受け取れないまま仕事も失ってしまったら、求職活動すら困難になってしまいます。

未払賃金立替払制度の条件は、多くの方が対象となると思いますので、積極的に活用するようにしましょう。

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