会社経営において、費用の構成やバランスは収益性を左右する大きな要素となります。
そこで本記事では固定費の意味や固定費率の求め方について解説していきます。それに併せて「固定費」「変動費」「収益」の関係性も紹介しますので、会社経営に活かすためにも理解を深めましょう。
固定費の意味
固定費とは、売上に関わらず常にかかる一定の費用のことを指します。
一般的には、
- 家賃
- 人件費
- 業務委託費
- 光熱水費
- 広告宣伝費
などがその一例です。
固定費は、事業活動を継続していくために最低限消費される費用であり、それはつまり運用において最低限回収しなければいけない費用と言えます。
売上が固定費を下回るようでは事業が成り立ちません。
固定費率とは?
売上に対する固定費の比率(割合)のことを固定費率と言います。
固定費率の割合は低い方が「損益分岐点」が低くなり、利益はでやすくなります。
すなわち、固定費を安く抑えることによって、低い売上であっても利益が出ると言えます。
ちなみに、説明の中にでてきた損益分岐点とは、その名の通り損失と利益が分岐する(利益がゼロになる)点になります。
固定費率の求め方
固定費率の求め方は、固定費率=固定費÷売上×100になります。
この固定費率が高くなるほど、固定費は売上に対して圧迫していることを示し、逆に固定費率が低いほど利益につながっていると言えます。
もし固定費率が80%や90%など高くなってしまっている場合は、いかに固定費を下げるか、そしていかに売上を伸ばすかという点に着目しなくてはなりません。
「固定費」「変動費」「収益」の関係
会社の費用を固定費と変動費に分類すると、会社の収益性に対し費用がどのような形で影響しているのか理解することができます。
また、固定費や変動費と収益性のしくみを理解できれば、収益性向上のための対策を講じることができるようになります。
先述した通り、固定費はその金額が低いほど利益の実現性が高くなります。つまり固定費は利益の実現性を決める要素を持っていると言えます。
例えば、固定費50万円と固定費1000万円では、固定費を賄うために必要とする売上に大きく差が出ますよね。固定費が少なければ固定費を賄うために必要な売上も少なくて済みますし、固定費が賄えてしまえばその分、利益が拡大するばかりというわけです。
一方、変動費は、売上高に対しその比率が低いほど、固定費の回収力が高まります。よって変動費は固定費の回収力を決める要素を持っていると言えるでしょう。
固定費と変動費をベストな比率に目標設定する事が大切
最近では、固定費を変動費化することも重要視されています。
世の中がめまぐるしく変動していく昨今、より小回りの利きやすい仕組みづくり=コストの変動費化が着目されているのです。
例えば、変動費化できるものは以下のような項目例があります。
- 人件費→外注化や人件費見直し
- 経理費用→アウトソーシングの活用
単にコストカットするのではなく、見直しをする(固定費化、変動費化する)ことで、会社や社員にとってプラスになる、様々な相乗効果を生み出せる場合があります。
ただし全ての経費を変動費化すれば良いわけではありません。現状をよく見極め、固定費と変動費を自社にとってベストな比率に目標設定することが大切です。
例えば自社商品の成長期~安定期には、大量生産に向けた固定費化を進め、衰退期を迎える前には変動費化に移行するという方法もあります。
自社の固定費と変動費の比率を正確に把握・分析し、これからどのような比率にすることが会社にとって望ましいのか考えてみましょう。
まとめ:固定費率とは?固定費率の求め方について解説!
いかがでしたでしょうか。今回は、コスト削減を考えるにあたって重要な固定費率についてお伝えしました。
固定費率の計算や分析に誤りがあると、事業運営に大きく影響を及ぼします。会社経営に失敗しないためにも固定費と変動費を正しく分別し、それらの分析を行うことが大切です。