会社が潰れかけているという危機的状況にあっても、立て直しのためにできることはあるのでしょうか?深刻な業績悪化や、資金繰りの問題など、会社により抱える問題は様々です。
この記事では、会社立て直しのために役立つポイントや、事例などについて解説していきます。
Contents
会社を立て直したい時に押さえるポイント
自分の会社を立て直したいと考える際に、まず押さえたい以下のようなポイントがあります。
1.経営不振の原因を突き止める
まず、会社が経営不振となり立て直しが必要となった理由について知りましょう。立て直す上で最も重要なポイントと言っても過言ではないかもしれません。
経営不振といっても、
- 部門全体の業績が悪い
- 採算部門と不採算部門が混在している
- 帳簿上は悪くないのに入金遅れなどで資金繰りが悪化
- 原料の高騰
など原因となる事象は異なります。
Aが原因であるのにBの対処法を行っては望むような結果が出ないどころか、時間とコストの無駄が増える恐れもあります。自社の現状を把握しておくことは、経営状態に関わらず重要ですので、財務分析や、フレームワークを使った自社分析などを定期的に行うことをおすすめします。また、コンサルタントや税理士等、第三者に依頼するのも客観的な意見を集めることに役立ちます。
2.適切な対処法を考える
不振の原因が分かったら、今度は対処法を講じましょう。仕入れ先を切り替えた方がいいのか、不採算部門を縮小あるいは売却した方がいいのか…など、立て直しのために本当に必要な選択をするためにも、原因を追究することは大切です。
巨額の負債を抱えながらも立て直しに成功した例
セゾン情報システムズは、2016年3月に大型システム開発遅延の和解金として150億円を支払うことになり会社の経営にも大きな影響を与えました。当時、立て直しのために経理計算のソフトウェアを使って、業務のデジタル化をトップダウンで強力に進めたそうです。
その結果、システム活用のノウハウを獲得でき業務の効率化にも繋がりました。2016年3月期から2019年3月期にかけて、残業時間や有給取得日数の平均値は改善し1人あたりの売上高が2~3割もアップしています。
これらの経験を社外に展開するために、リンゲージ・ビジネスという新規事業を立ち上げ会社の立て直しに使用した「SAP Concur(経費精算ソフトウェア)」と「Tableau(ビジネスインテリジェンスソフトウェア)」などのサービスを提供し、100社以上が導入して見事立て直しに成功しました。
このように、危機的ともいえるピンチがチャンスになる可能性もあります。
財務について
会社経営のためには、お金に対して多角的に意識を高く持っておく必要があります。単に売上を良くするということだけでなく、キャッシュフローを把握しておくこと、帳簿上の売上だけでなく現金をある程度手元に置いておくことは不安定な時でも役に立ちます。
小規模事業や、中小企業の場合は会社によって資金繰り表を作っている所とそうでない所に分かれますが、立て直し対策を立てるためにも、毎月の資金繰りをデータにして可視化することが大事です。資金繰り表のように毎月のキャッシュフローをきちんと管理している会社は、金融機関からの印象も良くなるので資金調達にも役立つと考えられます。
まとめ:【潰れかけの会社の立て直し】潰れかけでも立て直しは可能か?
潰れかけと認識するほど会社経営が悪化してしまうと、「どうせなにをやってもダメ」と諦めたくなってしまうかもしれません。しかし、現状分析や対策を丁寧に行うことで思わぬ打開策が見つかる可能性もあります。
本文でも紹介したように、立て直しのために行った業務効率化が副次的な効果をもたらした例も存在するので、まずは現状に対して何をすべきか考えていきましょう。