勤務していた会社が倒産すれば、社員にはどのような影響が出るのでしょうか?
この記事では、倒産後に起こり得る影響と知っておきたい対策や制度について紹介していきます。前々から準備するためにもぜひご覧ください。
Contents
急に会社倒産したら社員にどのような影響があるのか?
勤務先の会社が急に倒産してしまったら社員にどのような影響があるのでしょうか?
実際に起こり得る事例を見ていきましょう。
離職票がもらえない
離職票は失業保険を受給するために必要なのですが、倒産・破産のごたごたで離職票がもらえないという場合もあります。
転職先が決まっていれば不要ですが、急な事態の時は倒産後に失業保険をもらいながら転職活動をするという人もいるでしょう。
依頼したのにも関わらず会社側の故意で離職票がもらえないのであれば、雇用保険法施行規則第16条違反となります。
どうしても離職票が発行されない場合は、給与明細を持参してハローワークに相談しましょう。
働き口がない
会社倒産による一番大きなダメージとして、働き口が無くなってしまうことが挙げられるでしょう。
失業保険をもらえても、退職するまでの直近6ヶ月の給与の50%~80%ですので、ご家族がいる場合などは不安に思うこともあるかもしれません。
給与や退職金等の支払いについて知っておきたい制度など
勤務している会社の経営が怪しい…と思う時があれば、いざという時に備えて準備をしておきましょう。また、未払賃金立替払制度などを知っておけば不測の事態が起こってもスムーズに対応できます。
給与に関する書類を用意しておく
会社倒産後に離職票がもらえない可能性があることに備えて、勤務記録や給与明細等を捨てずに保管しておきましょう。
ハローワークで失業保険受給を申請する時や、後述する未払賃金立替払制度に申し込む時にも必要となります。タイムカードなど自分で保管できる勤怠記録がなければ、ご自分で記録しておきましょう。
勤怠管理や勤務時間を記録するスマホアプリもありますので、そのようなものを利用してもよいでしょう。
他にも、会社と交わした勤務条件に関する契約書や労働条件通知書があれば、それも保管しておいてください。
未払賃金立替払制度
倒産した会社が未払いの給与を支払ってくれない場合は、「未払賃金立替払制度」を活用しましょう。
未払賃金立替払制度は、倒産により給与が支払われない時に一部を払ってくれる救済制度になります。全国の労働基準監督署あるいは、独立行政法人労働者健康安全機構で手続きを行います。
未払賃金立替払制度を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 勤務先の企業が倒産をしたこと(法律上・事実上どちらでも)※
- 1年以上事業活動をしたこと
- 会社が倒産した日の6ヶ月前の日から2年の間に退職した人
※事業活動の停止などで賃金の支払い能力がない、いわゆる「事実上の倒産」である場合は労働基準監督署長からの認定が必要です。管轄の労働基準監督署で手続きをしましょう。
金額は年齢に応じて88万円~296万円が上限で、未払いとなっている賃金の8割が支払われます。
退職手当の請求権とは?
勤務先の会社が退職金の支払いを明確にしていたのに支払わない場合は、退職金請求権を行使できます。
退職金請求権の扱いとしては、退職前の給与3ヶ月分の金額は財団債権、それ以上の金額は優先的破産債権です。
また、退職する前の3ヶ月の給与額が破産手続きをする以前よりも少ない場合は、減額する前の給与3か月分が財団債権とされます。
まとめ:勤務している会社が倒産すれば社員にはどのような影響がある?事前準備のためにも必読!
今回は、勤務先が倒産した時に従業員が直面しがちな事例とその対策について解説いたしました。
本文中でご紹介した通り、失業保険の他にも未払賃金立替払制度や退職手当の請求権等があります。何か起きた時にあきらめず、今回ご紹介した制度を活用してみてください。