2020.10.3

2020.10.10

法人破産のメリット・デメリットについて

法人破産にはメリットがありますが、債務が免責される代わりに会社を消滅させなければなりません。

会社の保有する財産は処分の対象となるため、決断は慎重に行う必要があるでしょう。

そこで今回は、法人破産のメリット・デメリットをテーマに解説していきます。

両方のポイントをよく確認して、法人破産の判断に役立ててください。

法人破産を行うメリット

法人破産のメリットには、下記の4点が挙げられます。

  • 負債が免責になるので資金繰りの悩みが解消される
  • 経営者個人の債務も免責される
  • 債権者からの取立てや請求がなくなる
  • 債権者は破産手続時に配当を受け取ることができる

1つずつ詳しく見ていきましょう。

負債が免責になるので資金繰りの悩みが解消される

法人破産をすることで会社が抱えていた債務が免責されるため資金繰りなどで悩む必要がなくなります。

会社経営者は債務の悩みから解放されるため、再スタートを切ることも可能でしょう。

経営者個人の債務も免責される

法人破産では会社の債務だけでなく、経営者個人の債務も免責されるケースがあります。

例えば、経営者自身が銀行借入の連帯保証人なっていた場合など、法人破産に関連して自己破産を行うことで負債が免責され、個人としても再出発することが可能です。

債権者からの取立てや請求がなくなる

法人破産を弁護士に依頼すると、債権者に対して「受任通知」が発送され、その時点から債権者は債務の取り立てや請求ができなくなります。

経営者としては債務の取立てがなくなり、対応する必要もなくなるので精神的に余裕が生まれるでしょう。

債権者は破産手続時に配当を受け取ることができる

破産手続が開始されると、会社の保有する財産を換価処分し、債権者への弁済や配当に充てる処理を行います。

そのまま放置していると、債務を回収する見込みのないまま貸し倒れのリスクも生じるため、法人破産は破産者だけでなく債権者にとってもメリットがあるのです。

破産というと債権者にはデメリットしかないように思えますが、適切な時期に法人破産をすることは、債権者のメリットになるケースもあると言えます。

法人破産を行うデメリット

法人破産のデメリットは、以下の3点です。

  • 事業は継続できない
  • 取引先を失い、社会的信用も下がる
  • 会社保有の財産も処分される

事業は継続できない

法人破産を行うと債務が免責される代わりに、会社は消滅してしまいます。

事業も継続できないため、再び会社経営をするには新しい会社を立ち上げるほかありません。

取引先を失い、社会的信用も下がる

法人破産は債務を帳消しにして会社を消滅させる手続きでもあるため、取引先との関係も当然消滅してしまうでしょう。

さらに、経営者本人の社会的信用も下がってしまいます。これはイメージが悪くなるという抽象的な意味だけでなく、ローンが一定期間組めなくなるなどの意味も含まれています。

会社保有の財産も処分される

法人破産を行うと、会社保有の財産を換価処分して債権者への配当に充てるという手続きを行います。そのため、財産のほとんどを失ってしまう形になってしまいます。

また、個人の財産についても生活に必要な最低限のもの以外は処分されてしまいます。

まとめ:法人破産のメリット・デメリットについて

今回は法人破産のメリット・デメリットについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?

「リセット」という意味合いが強いためメリットに目が行きがちですが、もちろんデメリットもありますので事前に把握しておくことが大切です。

会社の経営状況に合わせて、本当に法人破産が必要なのかどうか慎重に判断しましょう。

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