2021.1.25

日本で再度経営者になる人が少ない理由〜経営者の再挑戦〜

「日本では再起業が難しいと言われているが実際どうなのだろうか…」

「日本と海外では経営者の再挑戦に違いはあるのだろうか…」

一度倒産を経験しても、再度経営者として頑張ろうと思う方もいますが、実際数としては少ないのが現実です。ではなぜ、日本では再度経営者になる方は少ないのでしょうか?

そこで本記事では、日本で再度経営者になる人が少ない理由について解説していきます。

日本で再び経営者になることについて

日本では倒産後再び経営者になる人は少ないとされています。それに対して、アメリカでは一度倒産したとしても、再びすぐに経営者としてビジネスを開始する人は多いとされています。現に、アメリカの大統領にもなったドナルド・トランプは経営者としても知られていますが、彼は過去に幾度となる破産を繰り返しながらも、そのたびに復活を果たしています。

では、なぜアメリカでは再び経営者になる方が多いのに、日本ではそれが少ないのでしょうか?

日本で再度経営者になる人が少ない理由について

アメリカと比較した際に、日本では一度失敗してしまうと立ち直りが難しい仕組みになっていることが挙げられます。法人破産をしてしまえば、個人破産も同時にするケースが多く、その際に経済状況が著しく悪化してしまいます。資金がなくなるということは、再起業する際の原資がなくなるということも意味しており、さらに、資金がなくなることにより労働への意欲も奪ってしまうことにつながります。

日本の経営は借金に頼る経営である

日本では、起業の際に借金に頼る傾向にあります。それに対してアメリカでは、ベンチャーを支えるキャピタリストが集合する投資システムが充実しており、失敗しても経営者と投資家が責任を負うことになっています。アメリカでも借金に頼ることもありますが、日本のように第三者に連帯保証人になってもらうということはありません。

連帯保証人に迷惑がかけられないことにより再起業が難しい

日本の経営者が一度倒産して立ち直れないのは、連帯保証人制度にあると考えます。他の人に迷惑がかけられないという理由でとことん頑張って、それにより傷が大きく広がってしまうのです。海外では、お金を借りるときに個人保証を求めるところは少ないですが、日本では個人保証が求められます。また、日本では第三者の連帯保証人も求められますので、精神的にも追い込まれてしまうのです。

再挑戦の環境について

これまで、日本では再挑戦が難しいとお伝えしましたが、再挑戦の環境が整っていないわけではありません。日本政策金融公庫には倒産した方でも借入ができる再チャレンジ融資が用意されていますし、倒産経験のある方に対する再挑戦支援の相談窓口なども用意されています。たとえば、横浜市では再挑戦支援事業として常時相談窓口を開設しており、再挑戦支援の経験を持つ、弁護士や公認会計士、経営コンサルタントを再チャレンジアドバイザーとして派遣しています。

さらに、再チャレンジアドバイザーの推薦を受けた経営者は、経験豊富な企業経営者による支援を受けることができます。この経験豊富な企業経営者はメンターシニアマネージャーと呼ばれ、ボランティアで募られています。必ずしもすべての支援を受けられるわけではありませんが、相談は無料になっています。

まとめ:日本で再度経営者になる人が少ない理由~経営者の再挑戦~

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 日本では一度倒産すると立ち直りにくい背景に法人破産と同時に自己破産しなければならないことが多いという理由がある
  • 日本では連帯保証人制度によりがんじがらめに縛られてしまう
  • 再挑戦する場合に環境が全く整っていないわけではなく、再チャレンジ融資などが用意されている

という点がポイントでした。

日本で再度経営者になるには、自己破産後借入が基本的にできなくなったりしますので、多くの困難を越えて挑戦しなければなりません。ただし、利用できる制度などがありますから、もし、再起業する場合にはそれらの支援を受けてみてはどうでしょうか?

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