業績の悪化や自然災害によるものなど、さまざまな理由によって引き起こされる従業員への給料未払いですが、実際にそのような状況にいる経営者の方や危機感を感じている経営者の方もいるのではないでしょうか?
また、万が一このような事態に陥ってしまった場合、どのように対処すればいいのか分からず焦ってしまう方もいるでしょう。
そこで本記事では、従業員へ給料を支払えない場合の対処法をご紹介していきます。
従業員への給料を支払わなかったばかりに逮捕される事例も過去にありますので、ここで理解を深めておきましょう。
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給料の支払いは「労働基準法」で義務付けられている
労働基準法には、「通貨払いの原則」「直接払いの原則」「全額払いの原則」「毎月1回以上定期払いの原則」などのように賃金払いの原則が定められています。
もし、給料の支払いが遅れると「全額払い」「毎月1回以上定期払い」といった原則を破ることになってしまいます。
これは、労働基準法が定めている原則に違反しているとみなされ、労働基準監督署の調査を経て、「刑事事件として立件」されたり、「裁判で訴訟」されたりする恐れがあります。
従業員の給料を支払わないと逮捕される理由とは
経営者が従業員の給料を支払わない場合、逮捕されてしまう可能性もあります。
なぜなら、従業員の給料を支払うことは前述したように、経営者の義務として「労働基準法」で定められているからです。
この「労働基準法」は全ての会社が守らなければならない法律で、違反すると社長などの雇用主に対して「罰金」「書類送検」などの罰則が課せられてしまいます。
特に、給料の未払いは刑事罰の対象となるため、雇用主側は注意が必要です。
給料の未払いは「払っていない期間が短くても違法となる」点を押さえておきましょう。
いかなる時も給料を支払う義務がある
全ての会社は、赤字になった場合や自然災害に遭った場合など、いついかなる時も労働基準法に基づいて運営する必要があります。
そのため、給料が支払われない場合、従業員は会社に対して不信感を抱きます。また、不信感が起因して業務に支障が出てしまう恐れもあります。
従業員の給料が払えない際にやるべき事とは
給料の未払いや遅配は大きな問題で、後にトラブルへと発展しやすいため、できる限り避けなければならないことです。しかし、業績悪化などの理由で、どうしても支払えない場合もあるでしょう。
そこでここからは、給料を従業員へ支払えない場合の対応を2つ紹介していきます。
従業員に説明すること
まず、経営者側が取らなければならない行動は、「給料が支払えない状況を従業員に説明する」ことです。
給料が支払えない事実を伝えるのは気が重いでしょうが、この事実は変わることがなく、給料日になれば従業員も気づくことです。
給料日になって初めて支払われていない事実を知る、というのは会社としての信頼をなくす結果となってしまいます。
伝える内容としては、下記が挙げられます。
- なぜ給料を支払えないのか
- いつ支払えるのか
- 一部支払いを行う場合はいくら支払えて、残りはどのくらい遅れるのか
給料の一部を支給する
次に経営者側が取るべき行動は「給料の一部を支給する」ことです。
会社の資金繰りをチェックした上で、できる限りの金額を支給できるように努めましょう。給料を複数回に分けるとその分手間や手数料がかかってしまいますが、従業員の生活を守り、信頼を失わないために最善を尽くすべきです。
まとめ:従業員への未払い給料はどうなる?経営者が取るべき行動とは?
経営者にとって、給料の遅配が起こることは法律上もちろんのこと、日々頑張っている従業員との信頼関係を考えても起きてはならない事態です。
会社としての信用・信頼を失うだけではなく、裁判などに発展するリスクもあります。
リスクを回避するためにも、日頃から資金繰りを意識した経営を行い、もしものために資金調達の手段についても事前に考えておくと良いでしょう。