自己破産をする時に「自分の財産を守りたい」、「少しでも多く手元に残したい」という考えがよぎる人も少なくないでしょう。しかし、裁判所や破産管財人は、破産手続きを進める上で詳細な部分まで手を抜かず調査します。
その上で、財産隠しなど不正行為が発覚すれば免責が認められなくなるというリスクもあります。この記事では、詐欺破産罪と判断される行為や、不正行為がバレる理由について解説していきます。
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自己破産時は行動に気を配ること
自己破産することを決めれば、うかつな行動をとらないように気を配りましょう。というのも、何が不正行為か知らなければ、故意でなくても財産隠しと思われるような行動をとってしまう可能性があるのです。
もちろん故意でない場合は、きちんと説明して財産目録や財産に関する書類などを提出すれば問題ありません。ただ、面倒なトラブルに発展する可能性も0ではないので、円滑に進めるためにも専門家のアドバイスを受けながら、適切な手続きを行うよう心がけることが大切です。
一度も返済せずに破産すると詐欺に当たるのか?
一度も返済していない借金のある人が自己破産申立をするのは、詐欺破産罪に該当するのでしょうか?負債額やその人の状況によっても対応が変わってくると思いますが、
- 免責不許可事由に該当
- 債権者から申立される
- 法人の場合刑事告訴される
という3つのリスクが考えられます。
「返済できないと理解していながらもお金を借りた」と判断された場合は、免責不許可事由となり免責されません。ただ、故意でなかったり多重債務で苦しんでいると理解されれば、破産手続きが認められる可能性も多いにあるのではないでしょうか。
次の、債権者からの申立ですが、まれに返済をされていないことを理由に異議申立をするケースがあります。異議申立が行われれば、裁判所は債務者と債権者の両方から事情を聴きます。悪質性があると判断されない限りはそれほど心配する必要はないでしょう。
ただ、法人の場合は借金の額も大きくなるためこれらのリスクが高まると考えられます。故意的に返済をしなかった場合は、刑事告訴される恐れもあるので債権者への説明は誠意をもって行いましょう。
財産隠しがバレるタイミング
財産隠しはどのような時にバレてしまうのでしょうか?よくある例を紹介します。
財産目録の調査
破産申立を行う際は、申立書と一緒に財産目録という破産者の財産状況がまとめられた書類も一緒に提出します。財産目録は裁判所や管財人によって、洩れがないか詳細に調べられます。添付した通帳、収入証明書、給与明細などの書類と照合して細かい部分まで見逃さずチェックします。
給与明細の金額が通帳で確認できないと、「他に口座を隠し持っているのでは?」と指摘されることもあるようです。
面談の内容
破産手続きでは、裁判官との面談を行います。提出された書類を元に面談をしていくのですが、この時の答えに矛盾や問題があると判断された場合は、不正がないか調査されます。
郵便物
破産手続きの申立をしてから手続きが完了するまで、破産者に送られてきた郵便物等は破産管財人に一度転送され中身を確認されます。その時に、申請していない金融商品についての書類があれば追加で調査を行います。
まとめ:自己破産で詐欺破産罪と判断される財産隠しについて
自己破産で財産を隠したまま手続きを行うと、財産隠しと見なされ免責が受けられなくなるかもしれません。自分の財産を少しでも守りたい気持ちは分かりますが、破産手続き自体にも費用が必要なので不正行為を行うと損失が大きくなってしまいます。
詐欺破産罪に該当すると判断された場合は、刑事告訴されるリスクもありますので細心の注意を払って正当な手続きを行いましょう。