会社が倒産した後、経営者の進路として再就職を目指す人も多くいらっしゃいます。そこで気になるのは、「倒産後の再就職はハードルが高いのでは?」という点でしょう。
そこで本記事では、倒産後における経営者の再就職をテーマに解説していきます。
元経営者の再就職はシビア?状況を知ろう
経営者だった方が、会社の倒産などの理由で他の企業に再就職をするのは厳しいのでしょうか?
何がハードルになるのか、という点について考えていきましょう。
ハードル1.年齢
経営の関係を抜きにしても、就職のチャンスとして年齢は大きく関わってきます。厚生労働省が発表した年齢別(男性)の入職率データを参照してみると、年代によってこのような差があることが分かります。
19歳以下 | 99.9% |
20~24歳 | 40.2% |
25~29歳 | 18.8% |
30~34歳 | 12.3% |
35~39歳 | 9.3% |
40~49歳 | 7.9% |
年齢を重ねるにつれて、入職率が変化することが数値で明らかになっています。
このデータは平成27年度のもので、男性のみを対象としているため目安としてお考えください。
ただ、ここで注意したいのは「入職率」という言葉です。
入職とは新たに就業した人の割合という意味。年代による可能性の低下はありますが、このデータがそのまま転職できる確率を表しているわけではありません。
とはいえ、再就職を希望するなら少しでも早く就職活動を行うとよいでしょう。
ハードル2.知識やスキル
年齢の次にハードルとなるのが経験やスキルの有無です。技術のレベルによっても、即戦力かどうかが見極められます。
同程度のレベルであれば年齢が若い方を採用する可能性も高いので、どのような強みがあるかを打ちだせるかがカギとなるでしょう。
経営経験者が再就職に活かせること
年齢やスキルが再就職のハードルを高くする要素であると紹介しましたが、その一方で、経営を経験したからこそ活かせるポイントもあります。
会社経営で得た経験や気づきをアピールポイントにする
起業や会社経営で学んだこと、よい経験となったことをアピールポイントにしてみてはいかがでしょうか?
「倒産しているのであれば説得力がないのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、言い換えることで印象はがらりと変えることができます。
たとえば、
- 精神力が鍛えられ、冷静に対処することを身に着けた
- 経営者の視点からビジネスを見ることができる
- 大切な繋がりができた など
このようなフレーズを自身が体験してきた具体的なエピソードを交えて話せば、経営者としての経験が活きてくる可能性があります。
出口戦略を利用する
こちらは厳密には倒産経験という枠に収まるものではないですが、事業に終止符を打つ手段として適切な出口戦略を選んでいれば再就職にも役立ちます。
出口戦略の方法としては、
- 売却
- 事業譲渡
- M&A
上記が挙げられます。
他の企業に売却することでそれも実績となり「〇〇万円での売却経験がある」と面談でアピールできるでしょう。
また、税制でも有利に働きますので、「経営が危ぶまれてすぐに倒産…」と考えず様々な方法を探ってみてください。
倒産後の状況を知ってから備えよう
経営者が再就職を目指すのであれば、どのような傾向があるのか事情を知ることが大事でしょう。
経営者という経歴や年齢によって書類選考を通らないこともありますし、面接までこぎつけてもその場で「なぜ倒産したのか」といった厳しい質問をされることもあります。
経営者の再就職は、通常の就職活動とは違った工夫が必要となります。
まとめ:倒産後の経営者の再就職はハードルが高い?
いかがでしたか?今回は倒産後における経営者の再就職をテーマに解説してきました。
元経営者には、年齢や経験といった第一関門が存在します。しかし、経営者として培ったスキルや実績はアピールポイントにもなりますので、根気強く就職活動を進めていきましょう。
また、選択肢を狭めてしまわず、エージェントや仲介会社からアドバイスを受けて選択肢をいくつか持っておくのがおすすめです。