2020.10.10

事業売却とは?メリット・デメリットから手順までを詳しく解説

事業売却は、出口戦略のひとつとしてメジャーな方法です。しかし、その概要やメリットについて知識がなければ、「事業売却=身売り」のようにネガティブな印象を持ってしまう方もいるかもしれません。

そこで今回は、「事業売却の目的からメリット・デメリット」そして「事業売却の手順」に至るまで解説していきます。

事業売却とは?なぜ行うの?

事業売却とは、その名称の通り会社あるいは組織の事業を他社に売却することです。売却する事業は一部のものだけを指す場合もありますし、会社のほとんどの事業を売却することもあります。

同じく事業の整理を行う手法として、「会社分割」というものがあります。事業売却と会社分割との違いは、自社のみであっても実行が可能かどうかという点になります。

つまり、会社分割は必ずしも他社などに事業を売却する必要はないということです。

他に混同されやすいものとして、「会社売却」がありますが、これは事業だけでなく会社の資産を全て売却することですので意味合いが異なります。

では、事業売却はなぜ行われるのでしょうか?

その目的としては、「経営の効率を良くする」「事業の改善や再生」という2つが挙げられます。

経営の効率を良くする

事業売却の目的として最も多いのが、効率化を目指すものでしょう。経営を安定させたり、会社を成長させたりするためには、複数の事業を手掛けることも時には必要になります。

しかし、すべての事業を継続するのは容易いことではありません。選択と集中を実践するために事業を絞り込まなければならない時期が訪れ、そのタイミングで事業売却を検討する経営者の方も少なくありません。

事業の改善や再生

事業売却のもうひとつの目的としては、その事業を立て直して再生することです。

例えば、「後継者不在で会社の存続が難しい場合」や、「廃止してしまうと顧客に重大な影響を与える分野」などを継続させたいと思った際に、他社へ売却することを選ぶのです。

事業売却をするメリットとデメリットの両方を知ろう

事業売却には、メリットとデメリットの両方の要素があります。どちらも理解したうえで検討しましょう。

事業売却のメリット

事業売却を行うメリットとして、

  • 組織の整理を良い条件で行える
  • 事業が続けられる
  • 交渉次第で資産を選別できる

という3つが挙げられます。

自社だけで事業整理をしたとしてもそれほど利益は出ませんが、事業を売却すれば利益の獲得と組織再編が並行して行えます。

また、続けていくべき事業であっても後継者不足や、業績不振などの事情によって不可能なケースもありますので、他社への売却でその事業を継続できることは利点と言えるでしょう。

事業売却をする際、買い手との協議で合意を得られれば資産や社員を残したり、承継するものの範囲について交渉したりすることも可能です。

デメリットも知ってから検討しよう

一方、事前に知りたいポイントとしては、

  • 手間と時間が必要
  • 人材流出

があります。

事業売却を行うためにはいくつかの選択肢がありますが、どのような方法であったとしても、手間と時間がかかってしまいます。

売却後も認可等を取得し直したり、社員の同意を得て雇用契約を結ぶなど多くの手続きを踏まねばなりません。

また、別会社に事業を売り渡すことで社内の人材が流出し、売却後も環境の違いなどが要因となって離職する人が増える可能性もあります。

事業売却の手順と事前に必要な準備

事業売却は、一般的に以下の手順で行われます。

  • 取締役会で承認を得る
  • 買い手と売り手の間で事業譲渡契約を結ぶ
  • 株主へ知らせる(事業譲渡の20日前までに)
  • 株主総会で決議を得る

このステップを踏む前に、「利益の最大化と損失の最小化」のために準備しておきましょう。

仲介会社や顧問士業など、なるべく事業売却に詳しい人に依頼できるよう余裕をもって選定してください。

まとめ:事業売却とは?メリット・デメリットから手順までを詳しく解説

いかがでしたか?今回は事業売却をテーマにお届けしました。

売却を行うことで効率よく組織の再編ができたり、その事業が存続できるというメリットがある一方で、手間がかかり人材のケアが必要になるというデメリットも存在しています。

事業売却は数年スパンで進めていくものですので、事前の準備は余裕を持って行いましょう。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています

会社倒産手続き.comをご覧の皆様へ

会社倒産手続き.comは、倒産〜復活にかけての道標を示すメディアです。経営者が第二の挑戦をすることを前提に、「終わり方」について参考となるデータと情報を提供していき、倒産〜復活のフローに関して、様々な道筋での援助方法ご提案します。

無料相談はこちら