2020.10.22

事業譲渡の手続きの流れと譲渡を行う上での注意点

事業の健全化や事業主の都合などで、事業の一部または全部を譲渡することがあります。

事業譲渡は順を追って手続きを進めることが大切で、事前知識を持って手続きがスムーズに進めば、「譲渡する側」「譲受する側」両方のリスクが抑えられるでしょう。

そこで今回は、「事業譲渡の手続きの流れ」や「事業譲渡における注意点」について解説していきます。

事業譲渡について!~手続きの流れと要する時間~

事業譲渡は、譲渡する内容について何をどれだけ譲るのかを自由に決めることができます。

そのため、会社の中の一部の事業を切り離して経営の健全化を図りたいという場合や、事業主の都合や個人的な事情に応じて実施することが可能です。

受け手となる側も、自社にとって必要な分を選んで譲渡を受けられる魅力があります。

事業譲渡の流れ

それでは、実際の事業譲渡の流れを順に追って見ていきましょう。

<自社の価値を判断し譲渡先を探して交渉を行う>

譲渡のための計画に価値・強みなどを盛り込んで、できるだけ良い条件で受け入れてくれる先を吟味して交渉します。

<基本合意契約を締結後、買い手側が調査を行う>

買い手側は、基本合意契約を結んだあと、財務状況など売り手側の事業内容について調査を実施します。その結果によって買取価格などが決定します。

<承認決議>

取締役を設置している法人であれば、取締役会で承認を得ます。有価証券報告書提出会社で、その他条件に該当する法人の場合は、取締役会の決議後、財務局に臨時報告書の提出が必要です。

<株主および債権者の保護手続き>

株式会社であれば、株主に通知し株主総会を招集して決議を得ます。その上で、財産など、資産の名義変更手続きを実施します。

<事業譲渡完了>

以上が、法人が事業譲渡する際の流れになります。全てがスムーズに運べば、おおむね1ヵ月程度で手続きが完了します。

個人事業主が事業を譲渡する場合は、事業の廃止届を譲渡側が税務署に提出し、買い手側が事業開始届を出すという流れです。

事業譲渡で考えておくべきこと

事業譲渡は会社の売買ですので、売り手と買い手の両者に税金がかかり、売り手側には、売却益に対して法人税が課せられます。

譲渡内容に「有形固定資産」「無形固定資産」「棚卸資産」「営業権」が含まれているのであれば、これらは課税資産ですので譲受会社は譲渡会社に対して消費税を支払わなければなりません。

また、各種名義変更に関する手数料が発生することも頭に入れておきましょう。

事業譲渡は、譲渡内容についての縛りがありません。従って、債務を引き継ぐかどうかは契約によって決められます。契約内容によっては、譲渡によって負債が譲渡側に残ってしまうことがあるということです。

売り手は、譲渡後も借金を抱えたままになる可能性についても、考えておく必要があるでしょう。

事業譲渡は、事業譲渡契約書に基づいて実施されます。契約書の質に問題があると後々のトラブルにつながりますので、法律の専門家と相談しながら作成を進めると安心です。

現在はインターネットで契約書のひな形が検索できますが、内容は自社の個別の状況によって適宜、細かく変更するなどが必要です。

作成後は、法律の専門家のチェックを受けておくのが望ましいでしょう。

まとめ:事業譲渡の手続きの流れと譲渡を行う上での注意点

いかがでしたか?今回は、「事業譲渡の手続きの流れ」や「事業譲渡における注意点」について紹介しました。

事業譲渡は、事業の健全化を図るために有効な手段です。しかし、買い手探しや交渉などがうまくいかない、主導権が握れないなどの状況で進めてしまうと、思うような結果が得られないこともあるでしょう。

後悔なく事業譲渡を完了させるためには、ひとつひとつのステップを丁寧に進め、妥協できることとできないことを明確にしておくことが大切です。

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