2020.11.20

2020.11.20

会社を売却したときの税金について〜節税についても考えよう〜

事業承継などの理由から会社を手放すことはありますが、会社を売却すれば税金が課せられます。

しかし、会社売却における税金関係については分からないことが多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、会社売却にかかる税金について状況別に解説していきます。

会社売却後のプランを正確にたてるために、事前に税額を試算しておくと安心ですので是非ご覧ください。

会社売却でかかる税金とは

会社を売却した際には税金についてですが、課税の方法や税率は状況によって違いがあります。

売却主が個人の場合または法人であるとき、売却の内容が事業譲渡の場合について見ていきましょう。

法人が会社を売却したときの税金

法人が会社を売却する方法に「株式譲渡」と「事業譲渡」があります。

まずは「株式譲渡」ですが、これは法人で保有する株を売却して経営権を譲るという形での会社売却方法で、「法人税」「法人住民税」「事業税」が発生します。具体的な税額は、株式の売却益に対して税率を乗じて算出する形になります。

売却した価格−必要経費=売却益

売却益に乗じる税率は収益高によって異なりますが、法人の場合は、会社売却の収益単体ではなく、会社全体の事業収益・損益と合算して、それに応じて法人税額が導き出されます。

会社を売却するもう一つの方法である事業譲渡は、事業の全部または一部を譲渡する法人同士の取引で、ここでも税金が関係します。

株式譲渡をしたときと同じく、売却益に対して法人税が課せられます。

加えて、消費税納税義務を負う法人が事業を譲渡したのであれば、こちらの取引についても消費税の課税対象となります。ただし、土地や有価証券など、消費税課税対象外のものがありますので確認しましょう。

また、法人を事業譲渡したことで、個人である経営者が利益を得た場合については経営者個人に所得税等が課せられることになるので注意してください。なお、事業譲渡にかかる税金は法人の決算期末から2か月以内に収めることになっています。

法人が会社を売却するときは、法人税のほかにも印紙税や不動産取得税などが関係しますのでご留意ください。

個人が会社を売却したときの税金

続いて、個人が会社を売却するパターンとして考えられる株式売却の税金について見ていきましょう。

個人で保有する株式を手放して利益を得た場合には、個人に対して税金が課せられます。

売却した価格−必要経費=株式譲渡の所得金額

株式譲渡所得に税率を乗じて税額を算出しますが、その税率は所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%です。それぞれを株式譲渡の所得金額に乗じて税額を算出します。

個人が株式を譲渡した収益については、給与や個人事業の所得といった他の収入とは切り離して税額が算出される分離課税となり、株式譲渡の所得金額からほかの事業の損益を控除することはできませんのでご注意ください。

会社売却時に節税するポイント

会社を売却するときに発生する税金は高額で、それを支払うと思っていたよりも収益が得られないということがあります。手元に残る資金を守るために、できる節税対策をしておくことが望ましいでしょう。

節税対策として、役員の退職金を利用する方法があります。

退職金については、税金の優遇がありますので譲渡金額の一部を退職金にすることで、個人が収めるべき全体の税額が抑えられます。

もうひとつ、役員報酬を支払うことで節税する方法があります。

これらについては、通常考えられる額を大きく超えていた場合などは、税務署が税金逃れと判断することがありますので、十分に配慮して実行する必要があります。

ほかにも、第三者に新株を引き受けてもらう形で節税する「第三者割当増資」の利用が節税対策として考えられます。

まとめ:会社を売却したときの税金について~節税についても考えよう~

いかがでしたか?今回は、会社を売却するときに課せられる税金について、売主が個人や法人など状況別に解説しました。

会社を売却するときは大きな税金が課せられますので、先々の予定を考えるためには事前に試算しておくべきでしょう。また、できる節税対策についてもしっかり考えておくと安心です。

税金は、売り手の状況や売却する内容の詳細によって税率が変動します。専門家や税務署に確認の上、間違いないように処理を実行してください。

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