2020.10.7

資金繰りを改善するための具体的な手順について

売上が少なければ誰でも不安になり資金繰りについて考えるものですが、「売上が上がっている場合、資金繰りなんて関係ない」と思っている経営者の方も多いのではないでしょうか?

資金繰りをないがしろにしていると、後々の倒産につながる可能性もあるので、要注意です。

そこで本記事では、「資金繰りが必要な理由」「資金繰りの改善方法」「資金繰り悪化を防止するためにやってはならないこと」を解説していきます。

資金繰りを改善すべき理由

いま資金ショートに陥っていない会社も、積極的に資金繰りを見直すべきです。なぜなら、「売上が上がっているから、資金繰りなんて関係ない」と考えていても、事業を続けていると、不測の事態に陥ることがあるからです。

では、資金繰り改善方法や具体的な実行手順はどうすればいいのでしょうか。次に見ていきましょう。

資金繰りを改善するための手順とは

資金繰り改善方法は、いくつかありますが、優先順位の高いものからご紹介していきます。

売掛金の回収をできるだけ早める

第1の方法としては、売掛金の回収をできるだけ早めるということです。売掛金を見直して、支払いサイトを早めてもらえそうなものがあれば、顧客と交渉をしましょう。

取引先が貴社との取引を何としても継続したいと考えていれば、要望を受け入れてくれる可能性は高いです。しかし、「貴社じゃなくても発注先は他にもある」と思っていれば、要望を受け入れてくれない場合もありますので、その点は留意しておきましょう。

具体的な実行手順としては、「月末締めの翌々月末支払い」の案件があれば、「月末締めの翌月末支払い」にならないか、顧客と交渉してみます。顧客から、「翌月末支払い」は厳しいという回答があっても、せめて「翌々月10日もしくは20日支払い」にしてもらえないか交渉してみると、支払いサイトが早まる可能性があります。

商品・サービスの取引条件を「前入金」にする

第2の方法としては、商品・サービスの取引条件を「前入金」にするということです。

顧客から前入金をしてもらえれば、入金後にさまざまな支払いをしていけばいいので、資金繰りがずいぶん楽になります。

前入金にすると、商品の売上が落ちてしまうと心配されるかもしれませんが、競合優位性の高い商品やサービスのみ「前入金」にしてもらうというやり方は、うまくいく可能性があります。

顧客に対して、「この商品(サービス)は人気があって、提供が追いつかないので、前入金限定にして、少し受注を減らしています」と、取引先に説明します。すると取引先は、「その人気商品(サービス)を前入金にしてでも、ぜひ利用したい」と考える可能性もあるでしょう。

外注先、仕入れ先への支払いを延ばす

第3の方法としては、外注先、仕入れ先への支払いを延ばすということです。

まず、既存の外注先、仕入れ先への支払いを延ばす交渉をしましょう。そして、新規の外注先、仕入れ先へは、初めから遅い支払い条件で契約するようにしましょう。

具体的には、月末締めの翌月末支払いであれば、月末締めの翌々月末支払いにならないか、月末締めの翌月20日支払いであれば、月末締めの翌月末支払いにならないかを交渉してみます。

当然、外注先や仕入れ先も「資金繰り」は重視していますので、ただ単に支払いサイトを延ばしてほしいとお願いしても、協力してくれないかもしれません。

ですから、協力してくれるのであれば、その見返りの対価を提示してみます。たとえば、「オプションサービスを追加する」「サポートを手厚くする」など外注先や仕入れ先にとって有利に働く条件を提示してみると良いです。

資金繰り悪化の改善策としてNGなこと

経営者が、資金繰りの悪化を防止するために、やってはならないこともあります。その中から、代表的なものをご紹介します。

返済能力を超えた借入金の返済は避ける

第1に、返済能力を超えた借入金の返済は、避けるべきです。低金利で返済期間が長期の借り入れができた場合、借入金の早期繰り上げ返済をしてはなりません。

経営をしていると、入金が多い月もあれば、少ない月もあり、いつも業績好調というわけではありません。業績が悪化したときに、手元資金がないと、会社は倒産してしまいます。

資金繰りを悪化させる無理な設備投資は避ける

第2に、無理な設備投資による資金繰りの悪化は回避しましょう。

事業で予想以上に利益が出て儲けたからといって、多額の設備投資をしたり、自社ビルを購入するため借り入れをしたりするのは、控えましょう。

本当にその設備投資が必要なのか、自社ビルを購入する必要があるのかを、よく考えてから行動すべきです。

経費を管理しない

第3に、経費を管理しないことによる資金繰りの悪化も、やってはならないことです。

その経費は本当に必要なのかを常に見極めなければなりません。経費の中でも、特に大きなものについては、本当に必要な経費なのかを慎重に検討しないと、資金繰りの悪化を招きますので気をつけましょう。

まとめ:資金繰りを改善するための具体的な手順について

資金繰りを改善するための対策方法について、具体的に解説してきました。

資金繰りは、戦略を立てることによって、改善していくものです。上記に挙げた改善策の中で、試していないものがあればぜひ試してみてください。

また、資金繰りの悪化を防止するために、やってはならないこともご紹介しましたので、ご参考にしてください。



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