2020.11.24

会社売却の利益はどのようにして決まる?算出方法から売値の決定要素について

会社を売却しようとするときに気になるのは、どの程度の利益が得られるかではないでしょうか?先々の計画を立てるためにも、売却前に利益についてある程度試算しておくことが大切です。

そこで本記事では、会社の売却で得られる利益をテーマに、その算出方法や売値の決定要素について解説していきます。

会社売却の利益とは

会社を売却したときの利益は、売却価格からかかった費用を引いて算出できます。会社売却にかかる費用とは手数料や税金などで、売却の方法によって税額等に違いがあります。

株式譲渡、事業譲渡それぞれにおける利益の算出方法を見ていきましょう。

株式譲渡で得られる利益の算出方法

株式譲渡した場合の利益の算出方法は次の通りです。

・利益=売却価格−譲渡費用−税額

譲渡費用とは、株式を譲渡するにあたって必要となった仲介費用などを指し、まずこちらを売却価格から差し引きます。

次に、株式を譲渡した場合には、譲渡所得に対して「所得税15.315%」と「住民税5%」が課税されますのでそれぞれを、売却価格から差し引き、算出された額が利益となります。

事業譲渡で得られる利益の算出方法

事業譲渡した場合の利益の算出方法は次の通りです。

・利益=売却価格−法人税等−消費税

事業譲渡であれば、法人として利益を得ることになりますので法人税と消費税の課税対象となります。

まず法人税の算出方法ですが、こちらは譲渡益に対して30~40%の税率を乗じた額が課せられます。※譲渡益とは、売却価格から簿価を引いた額をいいます。

消費税については、対象となる課税資産に対して税率を乗じて算出します。それぞれの税額をまず計算し、売却価格から差し引いた額が事業譲渡で得られる利益となります。

会社の売値を決定する方法

利益を算出するためには、まず売値が決まっていなければなりません。会社の売値の決定方法には次の3つの方法があります。

  • 時価純資産法
  • 類似会社比較法
  • ディスカウント・キャッシュフロー

それぞれについてみていきます。

・時価純資産法

会社の時価総額から負債総額をマイナスした額に、のれん代と呼ばれる会社独自の技術やブランドを乗せて算出する方法です。

・類似会社比較法

売却しようとする会社と類似した会社を選びだし、その株価を元にして価値を算出する方法です。

・ディスカウント・キャッシュフロー

将来発生すると予測できるキャッシュフローを元に企業価値を導き出す方法です。

以上3つの方法のいずれかを用いて、会社の売値を決定します。

会社の売値が高く設定できるかどうかは、仲介するM&A会社の手腕が大きく関係しますので、自社の条件や希望に合った業者を選ぶことが大切です。

会社売却で得られるその他の利益

会社の売却で得られる利益には、売却益以外のものがあります。そのひとつは事業承継が叶うということが挙げられます。

後継者不足で事業の引継ぎが難しいのであれば、会社を売却することで廃業を免れて事業を継続することができます。廃業となれば、廃業にかかる費用が発生する上、これまで働いてきた従業員の働き場所を奪うことにもなります。

会社を売却すれば売却益を得ることができ、従業員の雇用継続にも光が見えます。

また、経営者としての負担や責任から解放されるというのも会社売却の利益です。会社の借入金について、経営者が個人的に連帯保証人になっているなどであれば、会社を手放すことで連帯保証を外れられるという利点があります。

まとめ:会社売却の利益はどのようにして決まる?算出方法から売値の決定要素について

今回は会社を売却したときの利益をテーマに、その算出方法や利益の計算基準となる売値の決定方法について解説しました。

会社を売却するには、仲介手数料や税金がかかりますので事前にそれぞれについてしっかり試算しておくと安心です。

仲介業者や各種専門家の意見を取り入れて、後悔のない会社売却を行ってください。

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