事業を譲渡する場合には事業譲渡契約書を作成しなければなりませんが、譲渡内容を契約書によって詳細を定めることで、トラブルなくスムーズに移行できます。
しかし、事業譲渡契約書についてご存知の方は少ないのではないでしょうか?
そこで本記事では、事業譲渡契約書の作成方法や注意点について解説していきます。
Contents
事業譲渡契約書が必要な理由とその内容について
事業譲渡とは会社が事業を他者に譲り渡すことで、譲渡の内容については全部または一部など、自由に決定することができます。
注意点としては、行政などから受けている許認可などは引継ぐことができませんので、改めて申請が必要である点です。
事業譲渡契約書とは
事業譲渡契約書とは、事業を譲渡するにあたり何をいつ、どのような状態で譲渡するのかを定める書類です。
事業譲渡では、譲る対象や範囲を自由に制定できるため、契約書で詳細に内容を取り決めておかなければトラブルが発生してしまうでしょう。
譲り渡す財産はもちろん、債権などを契約書で細かに範囲を決めておくことで、スムーズに事業を譲り渡すことができます。
契約書に記載すべき譲渡対象財産などの範囲と注意点
譲渡対象財産については、詳細に契約書に掲載する必要があります。内容が欠けている、不備、実際と異なるといった点があれば、契約締結後に損害賠償請求を受けることがありますので、注意しましょう。
譲渡財産は、項目ごとに目録を作成します。対象資産目録に記載するのは、「流動資産」「預貯金額」「固定資産」「知的財産権」などになります。
内容は漏れなく記載し、資産の一部を譲渡しないなどがあるのであれば「○○は除く」という一文を加えましょう。対象となる資産は、譲渡側が所有する事業に必要な機械類や車両、備品、不動産などです。
著作権のあるものを継承する場合、著作人格権については譲渡することができません。後々のトラブルを回避するために、手続きを経て「著作人格権を行使しない」などの文言を加えておく必要があります。
債務についての記載も重要です。譲受会社が承継するのであれば、流動負債と固定負債の取り扱いについて債権者への手続きを含めて確認の上、契約書に盛り込みましょう。
事業譲渡契約書の内容と作成する上での注意事項・ポイント
事業譲渡契約書を作成するときに盛り込むべき内容は次のようなものです。
- 譲渡対象の範囲
- 譲渡日
- 譲渡の対価について
- 譲渡財産と財産移行手続きの方法
- 競業避止義務について
- 譲渡手続きとそれに付随する事項について
- 表明保証
従業員を譲受会社に引き継いで雇用してもらう場合は、それについても記載しましょう。
また、公共料金などを「いつから譲り受けた会社側が負担するのか」についても記載しておく必要があります。
譲渡契約書は、ひな形を利用して自身で作成することも可能です。しかし、不足がある契約書では交渉で不利になる可能性がありますので、作成後に専門家のチェックを受けるなどして、抜けがないかを必ずチェックしましょう。
作成に自信がない場合は、事業承継に強い専門家に契約書の作成を任せるのが安心です。
まとめ:事業譲渡契約書とは?盛り込むべき内容と注意点を解説!
事業譲渡契約書について、契約書を作成する意味や作成方法などについて解説しました。
事業譲渡をするときには、細部まで契約書で取り決めておくことでトラブル回避につながります。自社にとって不利のないよう、丁寧に作成しましょう。
契約書は、ひな形を利用すれば自社で作成できます。自社で契約書を作成した場合には、専門家のチェックを受けて万全にしておくと安心です。
事業承継の詳細は、会社それぞれで内容が異なります。質の高い良い事業譲渡契約書を作成することで、譲渡がスムーズに進むでしょう。