「会社を破産させても今の家に住み続けたい…方法はあるのだろうか?」
「やはり会社を破産した場合には自宅に住めないのだろうか…」
会社を破産させたとしても、愛着のある自宅から離れたくないと考える経営者の方は多くいらっしゃるかと思います。どうにかして、自宅を守ることはできないだろうか…と考えるのは至極当たりまえのことかと思います。
そこで本記事では、経営者の自宅は破産をしても残すことはできるのか?という点をテーマにお届けしていきます。
Contents
法人破産した場合には個人破産もセットになる
法人破産をすれば、必ず経営者個人も破産しなければならないということはありません。しかし、会社の債務を経営者個人が保証しているケースがほとんどであり、経営が傾くなかで個人の資力も使い果たしているケースも多くあります。そのため、法人破産した場合には、個人破産も基本的に同時に行うことが多いのです。個人破産をするとなれば、自宅が社長名義の場合手放さざるを得ません。
自宅に住み続ける方法
破産をした場合には、自宅が社長名義の場合手放さなければならないとお伝えしましたが、実は自宅に住み続ける方法があるのです。それは、身内や友人に自宅を買い取ってもらうという方法で、自宅が競売にかけられたあと、資力のある身内などに適正価格で購入してもらうのです。それであれば、毎月の家賃を支払いながら住み続けることができます。また、そもそも賃貸に住んでいる場合は、破産をした場合であっても家賃を支払い続けられるのであれば、そのまま住むことができます。
自宅を買い取ってもらえるだけの資力が身内にない場合
では、自宅を買い取ってもらえるだけの資力が身内にない場合には、どうすればいいのでしょうか?それにも方法があります。それは、身内に住宅ローンを組んでもらうという方法です。住宅ローンは借入しやすいので、そこから費用をだしてもらい、家賃を毎月支払えば住み続けることができます。それらが難しい場合には、心機一転して新しい道を歩むしかありません。
経営者個人が自己破産した場合にはその家族の財産はどうなるのか?
経営者個人が自己破産しても、その妻や子供の財産が処分されることはありません。ですので、そもそも自宅の支払いを妻が行っており、名義がその妻のものであれば自宅を手放すこともないのです。
そこで、もともと経営者自身の名義だったものを途中で妻名義にしてしまえば、難を逃れることができるのではないか…と考えることでしょう。しかし、資産を隠そうとする行為は禁止されているため、破産で処分しなければならないものから逃れようとするのは許されません。
身内に自宅を買い取ってもらい、家賃を支払いながら住み続けるという方法もありますが、このように許されない行為もありますので、弁護士と相談しながら資産について考える必要があります。
自宅も資産もなくなってしまったらどう生活していけばいいのか…
自宅も資産もなくなってしまったら生活ができなくなってしまう…と考えると、とても不安な気持ちになるでしょう。しかし、ある程度の資産を持つことは自由財産として法律で許されています。また、破産手続き開始後に破産者が新たに取得した財産に関しては、換価処分の対象にはなりません。
まとめ:破産をしても自宅に住み続けることは可能なのか?
いかがでしたか?今回の内容としては、
- 法人破産と同時に経営者個人の自己破産をすれば自宅を手放す必要がある
- 自宅に住み続ける方法としては自宅を身内に買い取ってもらう
- 身内に資力がなければ住宅ローンを組んでもらい支払ってもらう
- 経営者個人が破産してもその家族の財産は処分されない
という点がポイントでした。
破産をしても愛着のある家に住み続けたいと思う方は多くいらっしゃると思います。もしどうしても、現在の家から離れたくないという方は、今回紹介した方法を参考にしていただければと思います。