2020.10.22

2020.10.22

新型コロナウイルス禍での便乗リストラとは?その経営判断は後悔しませんか?

ご存知のように、新型コロナウイルスは今なお社会全体にさまざまな影響を与えています。

その影響は広がる一方で、企業の雇用にも大きな影を落としているのですが、その1つとして新型コロナウイルス禍での便乗リストラが挙げられます。

本記事では、「新型コロナウイルスが雇用に与えた影響」や「便乗リストラ」について解説していきます。

新型コロナウイルス禍での便乗リストラとは?

新型コロナウイルス禍での便乗リストラとは、解雇の回避に努めずに、この不況に便乗した不当な解雇のことをいいます。

通常であればどうにもならない状況のなかであっても、しっかりと手順を踏んだ上でリストラを実施する必要があるのです。

新型コロナウイルスによるリストラは経済界全体に

新型コロナウイルスによって従来の生活様式ではいられなくなり、消費行動にも大きな変化が起きました。

緊急事態宣言によって外出の機会を大きく失ったのも大きな打撃となり、さまざまな業界で売上が大きく低迷し、閉店や規模の縮小、経営方針の転換が余儀なくされたのです。

新型コロナウイルスを理由にした安易な経営判断も

厳しい状況の中でも必死に会社の存続に走る経営者もいれば、安易な判断を下す経営者も残念ながらいます。

新型コロナウイルス以前から売上が低迷していた事業を、あたかも新型コロナウイルスが理由であるかのように装って打ち切ったり、会社の倒産に踏み切ったりしたのです。

本当にそのようなことが起きているのかと疑問に思うところですが、勤務先が倒産したり、規模縮小などで職を失ったりした人たちの中から「うちの会社はそこまでコロナウイルスの影響を受けていなかった」「コロナウイルスによる事業悪化は確かにあったが、まだ収益に反映される段階ではなかった」など、経営陣のいう「新型コロナウイルスのせい」に疑問をもつ声が多くあったのです。

従業員の受けた印象がすべて正しいとはいえませんが、その中にはコロナウイルスを理由にした安易な判断があったのも確かでしょう。

新型コロナウイルスの陰で起きている「コロナウイルス便乗リストラ」

現に、新型コロナウイルスが原因で経営不振になりリストラに踏み切った企業は多くあります。

厚生労働省によると2020年9月下旬には6万人を超えたといいます。これだけの人が職を失ったことによる経済的影響は計り知れません。

しかし、実際にはコロナウイルスの影響とは関係ないところでのリストラも発生しています。

先ほど触れたコロナウイルスを理由にした事業縮小や倒産と同じで、コロナウイルスの影響はそこまで大きくなかったのにリストラになったと感じる人が多くいるのです。

コロナウイルス便乗リストラは違法

リストラは経営陣の判断だけで実施できるものではなく、4つの要件を満たす必要があります。

簡単にまとめると次の通りです。

①リストラの必要性がある
リストラによる人員削減の他によい方法がなく、リストラが効果的である
②リストラ回避のために努力する
リストラを回避するための努力が必須で、最善を尽くしてもリストラが必要である
③リストラ対象者の選定は公平で、客観的にみて合理性がなければならない
④リストラへの理解を得る
リストラが必要である理由や手続きに関してよく説明し、対象者から理解を得る

コロナウイルス便乗リストラは4つの要件を満たしているとはいえず、違法にあたると考えられます。

しかし実際にはコロナウイルスの影響でないと判断するのも難しく、リストラを断行できる状況にあるのでしょう。

雇止めによる経済的影響も深刻なものに

リストラと同じく雇用に大きな影を落としているのが雇い止めです。

採用が決まっていたにもかかわらず、新型コロナウイルスの影響で任せる仕事がなくなったとして雇い止めになるようなケースが増えているのです。

雇い止めも雇用創出の機会を失うことになり、経済を低迷させる要因になります。

経営者としては、便乗リストラも雇い止めも、コロナウイルスの影響での業績悪化を抑えるために必要な措置であったのかもしれません。

しかし、安易な手段として利用した会社もあるのではないでしょうか。

企業は従業員を守るのも大事な仕事です。深刻な状況が続く中だからこそ、会社と従業員を守るためにどのような判断を下すのか、経営者に問われています。

まとめ:新型コロナウイルス禍での便乗リストラとは?その経営判断は後悔しませんか?

新型コロナウイルスの影響による経済的打撃は社会全体に広がり、先行きの不安な状態が続いています。

そんな中で新型コロナウイルスに便乗したリストラや雇い止めは、巡り巡って最終的には自社にも影響を及ぼすかもしれません。

不安定な社会情勢だからこそ、後悔しないように慎重な経営判断を心掛けましょう。

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