2020.10.22

退職金の目安はいくら?リストラ退職のお金と制度まわりについて解説!

リストラ対象者にとっては、再就職先や今後の生活などと同じくらいに気になるのが退職金ではないでしょうか。また、会社にとってもいくら支払えばいいのか考えなければなりません。

そこで今回は、「リストラにおける退職金の目安」や、「退職金に関する規定」について解説します。

リストラで支払う退職金の相場と注意するポイント

一般的には退職金はどの企業にもあるものというイメージがありますが、実際にはそうではなく、リストラで退職金の支払いがない企業もあります。

では一体、その違いはどこにあるのでしょうか。

退職金は就業規則ですべて決まる

自ら会社を興した方はご存知かと思いますが、退職金の有無は従業員規定に記載があるかどうかでわかります。

そもそも退職金は、必ずしも支払わなければならないものではなく、従業員規定に明記していなければリストラでも支払う必要はありません。

支払う対象や金額なども、従業員規定ですべてが決まります。

退職金の目安

では、一般的な退職金額はどのくらいなのでしょうか。

2016年の東京都産業労働局の調査によると、退職金制度のある会社での平均は次のような結果でした。

自己都合退社の場合 

勤務年数10年(32歳)¥ 1,148,000給与の4.1ヵ月分相当
勤務年数30年(52歳)¥ 7,490,000給与の17.7ヵ月分相当

会社都合退社の場合

勤務年数10年(32歳)¥ 1,527,000 給与の5.5ヵ月分相当
勤務年数30年(52歳)¥ 8,560,000給与の20.2ヵ月分相当

給与に対する金額にかなりの幅があるのがわかります。年齢による差だけでなく、会社によって規定している内容が異なることも理由の1つです。

急なリストラで退職金が増える?労働基準法の理解を!

退職金の有無や支払う金額などは従業員規定に基づいて決定しますが、リストラの仕方によっては別に支払うべきものが出てきます。

30日前までにリストラの予告を指定しない場合、労働基準法にのっとって30日分以上の賃金を支払う義務が生じるのです。

やむを得ない事情がある場合などはその限りではありませんが、急なリストラは対象者に支払う金銭が増えることを押さえておきましょう。

また、従業員規定に記載がなくても退職金を支払っていた場合なども、慣行に沿って退職金を支払わなければならない可能性が出てきます。

このような場合は従業員規定を変更するなどして、退職金に関する企業の考えを明確にしたほうが無用なトラブルを防げるでしょう。

損害賠償を請求!?リストラ面談は慎重に

もう1つ注意したいのが、リストラ面談です。

不当解雇が問題になることもあったため、リストラ対象者は自分を守る対策をするようになっています。

それは当然の権利ですが、担当者がリストラ面談で不用意な発言をするとリストラハラスメントと認定され、慰謝料などの損害賠償を求められる可能性があります。

担当者にそのつもりはなくても、一度した発言は簡単には取り消せませんので、リストラ面談は慎重におこなうよう、担当者にもよく理解してもらう必要があります。

退職金規定を変更する方法

リストラ退職に関する規定があいまいな場合は、従業員規則の退職金規定を変更し、リストラの際に従業員が納得できるようにしておきましょう。

そうすることによって、退職金にまつわるトラブルを回避できるかもしれません。

退職金規定を変更するには従業員の同意が不可欠

退職金規定はいつでも変更できますが、従業員の同意が不可欠ですので簡単なことではありません。

会社が決めることではありますが、すでに働いている従業員がいることから勝手に会社側の判断だけで変えることはできないのです。

また、新たな規定が効力を発揮するまでは以前のものが有効で、仮に退職金制度を廃止しても、それまでの退職金を得る権利は残り、既得権として保障されます。

退職金規定の変更は簡単ではありませんが、とくに従業員にとっては大事な制度です。

いざという時に慌てるのではなく、時間をかけて両者が納得できる形に整備しておくのがよいのではないでしょうか。

まとめ:退職金の目安はいくら?リストラ退職のお金と制度まわりについて解説!

冒頭でも触れたように、「退職金はもらえるもの」という認識が一般的で、入社時にとくに確認しない人もいます。

「こんなはずじゃなかった」などとリストラの際にトラブルになる可能性もあるでしょう。従業員も当てが外れれば生活に困ることになるため、入社時には従業員規定の内容についてしっかり説明し、本人の確認をとっておくと安心です。

また、退職金規定があいまいであったり、時代の流れに合わないと感じたりする場合は変更する必要もあるかもしれません。

経営者としては、退職金に関する法律をしっかりと押さえておくことも大切です。

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