資金調達手段のひとつ、ファクタリング。売掛債権の買い取りを業者に依頼して現金化するという方法で、銀行融資などよりも手っ取り早く資金が手に入る点が魅力とされています。
融資などよりも資金調達までの時間が短いとはいえ、ファクタリングにも審査はあります。
ここでは、ファクタリング審査で重要視されるポイントや、審査が通らない理由について解説していきます。
ファクタリング会社の審査基準
ファクタリングとは、売掛債権を譲渡して、入金期日前に現金を得る手段のことです。売掛債権があって帳簿上は黒字ではあるが、すぐに現金が必要な場合や、つなぎ融資が必要なときに利用されます。
ファクタリングの流れとしては、まず自社が売掛債権をファクタリングサービスに譲渡し現金を得ます。その後取引先から入金された売掛額を、ファクタリングサービスに収める仕組みになっています。ファクタリング業者は、売掛金が入金されることを見越してお金を支払うわけですから、審査では、貸し倒れにならないかどうかという点を判断していきます。審査で信用があると判断された売掛債権のみ、ファクタリング会社を利用することができるようになります。
ファクタリングの審査で重要視されるポイント
ファクタリング会社は、必ず支払われると判断した売掛債権のみを取引対象とします。判断基準として、「自社と取引先との取引の長さや継続性」「二重譲渡の可能性はないか」「売掛金自体の信憑性」などがポイントとなります。
また、取引先については、倒産や差し押さえがかかる可能性がないかなどが審査されます。自社側に関しては、事業主が個人的に大きな借金をかかえているなどの問題点がないかチェックされます。
ファクタリングサービスを利用しようとする自社の信用力も重要です。継続年数が長く実績のある法人であれば信用度は高くなりますが、新しい法人や個人事業主の信用性は低いと判断されることが多いです。
ファクタリングには、自社とファクタリングサービスのみで行う2社間ファクタリングと、そこに取引先を加えた3社間ファクタリングがありますが、一般的に2社間よりも3社間の方が審査には通りやすいとされています。
ファクタリング審査が通らない理由を解説
ファクタリング審査に通らない主な理由としては、売掛債権の信用ができないと判断されることが挙げられます。具体的には、該当取引先との契約が単発である場合や、納品から支払い期日までが常識よりも長い場合、取引先の経営状態に不安がある、またはすでに問題が発生している場合などです。それらによって自社自体の動向についても信用がないと判断され、審査落ちすることがあります。
「年商に対して売掛額が多すぎる」「事業主が当該事業について理解をしていない」など、実際に、二重債権や架空の売掛債権を使ってファクタリング会社を騙そうとするトラブルも発生しています。ファクタリングサービスは多角的、総合的に売掛金の信用度を図り、審査結果を出していきます。
まとめ:ファクタリングの審査について
ファクタリングの審査や、サービス会社の判断基準や重要視するポイントについて紹介していきました。ファクタリングは、資金調達の方法としてメジャーになりつつありますが、資金繰りにつまったときに使われると認識される方法でもあります。ファクタリング業者は、資金繰りの厳しい事業主の買い取りは慎重になるのは当然であり、審査は甘いものではありません。健全な売掛債権のみがファクタリングの対象であり、反対に信用度の低い債権でもOKとする業者は悪徳業者、ヤミ金である可能性が高いでしょう。
万が一の場合に備えて、ファクタリングの正しい知識と審査基準を理解しておくと良いでしょう。