「有利子負債が何を指しているのか分からない・・・」
「有利子負債に分類されるものについて知りたい・・・」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
あまり聞きなれない有利子負債ですが、その意味や理解を深める事は経営にも役立ちます。
そこで本記事では、有利子負債の定義から分類されるものなどについて詳しく解説していきます。
Contents
有利子負債とは利息が付く借入金
有利子負債は、端的に「利子が発生する債務」のことを指します。有利子負債に分類されるものは後程詳しく解説いたしますが、有利子負債があることにより何が判断できるのかついて軽く触れておきます。
有利子負債は、それがどのぐらい存在するかにより会社の財務状況が健全かどうかを判断できます。
そして有利子負債は、毎月決まった金額を返済しなければならないという理由から、有利子負債が少ないほど健全だと判断されます。
有利子負債があるとネガティブなイメージが付く?
では、有利子負債の残高が多いと、その企業はネガティブなイメージが付いてしまうのでしょうか?
実際のところは必ずしもそうとは限りません。有利子負債の利率は株主の収益率と比べると低いケースが多く、利息として支払う金額は節税にもなります。
そのため、加重平均の費用を押さえて企業自体の価値を上げるためにも、バランスが大切となっています。
現在の有利子負債の現状について押さえよう
有利子融資は、現在多くの金融機関が融資商品として提供していますが、以下の金融機関の人気が高いようです。
【都市銀行】
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- あおぞら銀行
【政府系などのその他金融機関】
- 日本政策投資銀行
- 農林中央金庫
- 信金中央金庫
業種によって比率が異なる?
先ほど、有利子負債がどれくらいあるかで、会社の財務状況が健全かどうかを判断するとご説明しましたが、そのためには以下のような指標が用いられます。
- 負債資本倍率を求める
有利子負債の残高÷自己資本=有利子負債比率 - 会社の総資産に対して負債がどれくらいか
有利子負債の残高÷総資産=有利子負債依存度 - 有利子負債が売上の何か月分あるか
有利子負債の残高÷月商=有利子負債月商倍率 - 現在の資金の流れで何年で負債を返せるか
有利子負債の残高÷営業キャッシュフロー(手元に残る資金)=債務償還年数
このように、いくつもの目線で分析を行うことで健全性を測っているのです。
有利子負債に分類されるもの
一体どのようなものが有利子負債として分類されるのでしょうか?
それぞれについて紹介していきます。
金融機関からの融資
運転資金などのために金融機関から融資を受ければ金利が発生しますが、これらの借入金は有利子負債に含まれます。
金融機関以外、ノンバンク系の機関や商工会などの団体から融資を受けた場合であっても、利子が付くのであれば同じ扱いです。
社債・転換社債
社債は投資家から資金を一定期間借り入れるという仕組みです。一般的に社債というと普通社債(ストレートボンド)を指し、定められた期間まで企業から投資家に利息が支払われます。
社債にさまざまな種類が存在しますが、転換社債もそのひとつです。正式名称は転換社債型新株予約権付社債で、チェンジャブルボンドと呼ばれることも。
基本的には普通社債と同様の仕組みですが、条件を満たせば株式に交換することも可能となります。
ただ、上記のような特殊な事情を持つため、普通社債よりも金利が低い傾向があります。
コマーシャルペーパー
コマーシャルペーパーも社債と同じく、企業が直接金融取引を行い、資金調達をする方法です。
社債との違いは、
- 無担保であること
- 額面が1億円以上
- 償還は1年未満
というものです。
主に社会的に信用度が高い大企業が使用する約束手形で、金利はその企業によって変動します。
まとめ:有利子負債とは?有利子負債に分類されるものは?
今回は、有利子負債について詳しく紹介しました。有利子負債が多すぎると企業として健全ではないと判断されてしまうものの、状況によって税制面で有利に働くこともあるので、一概に減らせば良いというものでもありません。
また、業種によっても有利子負債の平均的な割合は違うので、業種の違う会社と比較しないよう気を付けましょう。