2020.10.10

2020.10.10

変動費と固定費を分類して収益を分析しよう

固定費や変動費など、経費について詳細に把握することは収益性の分析に役立ちます。

その際に用いられる用語に、「損益分岐点」というものがあります。

この記事では、損益分岐点の概要から算出方法までを解説していきます。

そもそも損益分岐点はどんな目的があるの?

毎月かかる経費を固定費と変動費に分けることで、損益分岐点が算出できます。

損益分岐点とは、簡単に言うと「利益を出すために必要最低限の売り上げ」のことです。

つまり、赤字と黒字を分かつ分岐点が損益分岐点ということになります。

「なぜ固定費と変動費に分けるのか?」と思われた方もいるとは思いますが、それは「売上の何割が変動費なのか?」を知るためです。

固定費と変動費について

固定費とは、家賃や保険など、売上に関わらず支払う費用のことを言います。

変動費とは、仕入れ値や原材料など、売り上げや販売量に応じて金額が上下する経費のことを言います。

損益分岐点を明確にすることで、適切な売り上げ目標の設定ができるようになります。

最低限の売り上げを測るための損益分岐点比率

損益分岐点と似た名前の指標として、「損益分岐点比率」というものがあります。

損益分岐点比率は、実際の売り上げの何割が損益分岐点なのかを計算したもので、「売上がどれくらい落ちても赤字ではないか」という目安の数値になります。

損益分岐点は低いほど不況に強く、企業として経営が安定していると考えられます。

損益分岐点比率の出し方は、以下の計算式で算出します。

損益分岐点/売上×100%=損益分岐点比率

例えば、2,000万円の売り上げがある会社で損益分岐点が1,000万円だとすると、

1,000万円/2,000万円×100=50となり、その会社の損益分岐点比率は50%だということが分かります。

逆に、売上の中の損益分岐点比率が高いと利益が出せていない状況です。損益分岐点比率90%以上の会社は、経費の見直しや売上増加などを検討しましょう。

損益分岐点を出すための計算方法については、のちほど詳しく紹介します。

損益分岐点の分析には固定費と変動費のバランスが重要

損益分岐点には、固定費と変動費が大事ということを先ほども軽く触れました。

そして、諸経費の中でも売上に関係するのが、この2つです。

固定費としては以下のようなものがあります。

  • 賃料
  • 支払利息
  • 償却費
  • リース料
  • 保険
  • 人件費

変動費としては以下のようなものがあります。

  • 売上原価
  • 販売手数料
  • 運送費
  • 加工費
  • 仕入れ

固定費と変動費のバランスは、業種や会社の規模によって最適なものは変わります。

また、人件費は取り扱いが難しく毎月の基本給は固定費、歩合給や出来高給の場合は売上や業績によって異なるため、変動費とすることが一般的です。

そのため、損益分岐点分析を使って自社事業にあった黒字と赤字の分岐点を知りましょう。

損益分岐点の算出方法について

利益を出すための基本的な考えでは、売上-(変動費+固定費)です。

損益分岐点を算出するための計算式は以下の通りです。

固定費/{1-(変動費/売上)}=損益分岐点

また、販売量の目安を知りたい場合は損益分岐点販売量を求めることもできます。

固定費/(売上高-変動費)=損益分岐点販売量

利益を知るために大切な「限界利益」についても少し触れておきましょう。

限界利益は、売上高から変動費を抜いたものです。

限界利益を知ることで経費のバランスが分かったり、採算の算出に役立ちます。

まとめ:変動費と固定費を分類して収益を分析しよう

今回は、収益を分析するために大切な経費の分類と、損益分岐点について解説しました。

損益分岐点を知ることで、売上の目標を立てたり、不要なコストの削減に役立ちます。

損益分岐点分析を行って、あまり数値が芳しくないのであれば無駄な経費がないか見直すと良いでしょう。

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