「銀行融資を受けたが仕訳方法が分からなくて困っている…」
「これから銀行融資を受ける予定なので事前に仕訳方法を知識に入れておきたい…」
このような方はいらっしゃいませんか?
他の仕訳同様に銀行融資も、状況に応じた仕訳が必要となります。
そこで今回は、シチュエーションごとに銀行融資の仕訳方法を解説していきます。
また、どのような勘定科目を当てればいいのか?という点についても解説しますので、是非ご覧ください。
Contents
資金の借入と返済を行うときの仕訳について
まずは、銀行から融資実行されたときの仕訳方法について説明します。
例えば、銀行から300万円の融資を受けたとします。その際に50,000円が手数料として差し引かれて振り込まれたときの仕訳はこの通りです。
・借方
現金(普通)預金:2,950,000円
支払い手数料:50,000円
・貸方
(期間に応じた)借入金:3,000,000円
ここでは説明しやすくする為、借入手数料を「支払い手数料」としてまとめています。
返済を行った際の仕訳
融資を返済するときに仕訳を行うポイントとしては、「元本と利息を分ける」というものです。
細かいルールもありますが、このポイントを原則としてとらえていると処理がしやすくなります。
元金の勘定科目は、借入したときの仕訳に合わせて短期借入金か1年以内返済長期借入金を使いましょう。
融資の勘定科目について
まず、融資には借入する金額によって異なる勘定科目を使います。
- 短期借入金
借入から1年以内に返済する借入金(融資)のことを指します。
- 長期借入金
1年以上かけて返済する借入金のことを指します。
- 1年以内返済長期借入金
長期借入金の総額から、決算日までに返す金額のことを指します。
どのように使い分けるかという例を出しますと、5月決算の会社が7月に300万円の銀行融資を受けて、8月から月々15万円を返済すると仮定しましょう。
- 借方
現金(普通)預金:3,000,000円
- 貸方
長期借入金:1,5000,000円
1年以内返済長期借入金:1,500,000円
以上のように、決算までに返済する金額を「1年以内返済長期借入金」、それ以降の返済額をまとめて「長期借入金」とします。
信用保証料など付随費用の勘定科目について
銀行融資を受けた経験のある人は分かるかもしれませんが、契約された金額がそのまま振り込まれるわけではありません。
天引きされた金額も帳簿に書かなければいけませんので、それぞれの手数料に合った勘定科目を使いましょう。
- 長期前払費用・・・信用保証協会を利用して融資を受ける際に発生する保証料
- 租税公課・・・収入印紙の金額
- 支払い手数料・・・融資実行の際にかかった振込や送金の手数料
- 出資金・・・信用金庫や組合から融資を受ける際に、会員や組合員になって支払うお金
- 支払い利息・・・最初に支払う利息
これらをまとめて付随費用と呼ぶこともあります。
事業年度末の決算月の処理
決算のときは会社のお金の流れを明確にしなければいけませんので、銀行融資の仕訳を忘れないようにしましょう。
平常時との違いは、
・長期借入金から翌事業年度で返済する額を「1年以内返済長期借入金」とする
・信用保証料を償却する
という2点です。
信用保証料は融資を受ける際にまとめて払うのが一般的ですが、保証自体は借り入れている期間有効ですので、毎年償却していかなければならない点に注意しましょう。
「1年以内返済長期借入金」については既に説明しましたので省きます。
まとめ:銀行融資を受けた時の仕訳方法や勘定科目について
銀行融資を受けたときの仕訳方法は、他の金融機関とそれほど変わりはありません。しかし、銀行融資を利用するときは長期で借入を行うことが多く、場合によっては信用保証協会を付けることから、それぞれの仕訳方法を知っておくとよいでしょう。
勘定科目の他にも、本記事でご紹介したポイントをぜひお役立てください。