未払い給料によって従業員から内容証明が送られてきた場合、どうしたらいいか分からず慌ててしまうという経営者の方もいるのではないでしょうか?
また、「無視してもいいものなのか」「無視した場合にはどうなるのか」という疑問を抱える経営者もいるでしょう。
そこで本記事では、「内容証明郵便が届いた場合の対応方法」などを詳しく解説していきます。
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内容証明を無視しても大丈夫なのか?
まずは、内容証明を受け取って無視した場合、どうなるのか見ていきましょう。
内容証明郵便は、その内容によって法的な効力が異なります。
例えば、
- 催告:時効を中断する効力
- 時効の援用:意思表示
- 解除:意思表示
などです。
とはいえ、内容証明が届いたからといって相手の要求に応じなければならないという法的な義務は生じません。ただ、相手が「本気で裁判を考えている」という意思を表しているという事実は受け止めましょう。
裁判の可能性について
内容証明には、「〇月〇日までにお金を振り込んでください」や「〇月〇日までにご連絡ください」などと記載されているケースがありますが、期限が記載されていても法的には返事やお金を振り込む義務はありません。
しかし、その日までに何かしらの対応をしなければ、相手方が裁判の準備を開始する可能性が高まります。
裁判を起こされてしまうと、時間や費用など手間がかかり、さらに慌てて対応しようとした場合には時間が足りない可能性も考えられます。
内容証明が届いても冷静に
内容証明郵便とは、郵便局が内容・差し出し日・到着日の証明を行うもので、「言った言わない」という争いを防止する効果があります。
また、内容証明にはきちんと請求したという効果に加え、心理的プレッシャー効果もあります。
このような効果のある内容証明なので、未払い給料や残業代の請求に対して受け取った経営者の方は慌ててしまうかもしれませんが、重要なのは「冷静になる」ことです。
内容証明が証明するのは「会社側に請求した」ということです。請求の正当性を証明しているわけではありませんので、正当性があるのかどうか見極める必要があります。
内容証明について弁護士に相談するとどのような対処をしてくれる?
未払い給料などによって内容証明を受け取ったら、迅速に弁護士に相談しておいた方が良いでしょう。すぐに行動することで、裁判を起こされずに早期解決できる可能性が高まります。
では、弁護士に相談したらどのような対処をしてくれるのでしょうか?
基本的な流れは、以下のようになります。
- 内容証明が届く:未払い給料や遅延損害金の支払い請求
- 相談:電話などで請求された旨を伝える
- 打ち合わせ:就業規則・資金規定・給与明細・労働時間を管理している資料などの書類を持参し、事情の確認を行う
- 回答書作成:打ち合わせにて決めた内容の回答書を作成し送付する
- 和解:交渉を行い、同意書を交わして円満解決に至る
このように弁護士に相談すると、対処方法や回答書の作成、交渉など、円満解決に向けた対処をしてくれます。
まとめ:未払い給料によって内容証明が送られてきたらどうすべき?
従業員から未払い給料によって内容証明郵便が送られてきた場合、慌てることなく冷静に対応することが大切です。
相手の要求に応じなければならないという義務は発生しないため、そのままにすることはできますが、近いうちに裁判を起こされてしまうリスクが高まってしまいます。
そのため、早い段階で弁護士に相談し、円満解決に向けて対応を進めた方がベストでしょう。裁判となってしまっては時間やお金もかかってしまうため、先手を打つことが得策です。