2020.10.31

2020.10.31

給料未払いで起こる少額訴訟とは?対処に必要な費用やリスクも解説!

従業員が未払い給料を請求する方法の1つに「少額訴訟」というものがありますが、経営者の方は少額訴訟についてご存知でしょうか。

これを端的に説明すると、60万円以下の金銭の支払いに対して簡易裁判所で行う訴訟のことを指します。

万が一、経営不振などの理由で毎月の給料が支払えない場合、従業員から少額訴訟を起こされる可能性も考えられますので、ここで少額訴訟についての知識を深めておきましょう。

少額訴訟とは?通常訴訟との違いも解説

少額訴訟はその名前の通り訴訟の1つで、通常訴訟と比較すると手続きが簡略化されており、原則として1回で全ての審理が完了するという特徴があります。

通常訴訟との違いを表にしたものが以下です。

 少額訴訟通常訴訟
請求60万円以下60万円を超える請求または金銭請求以外
裁判1日のみ3カ月〜
判決異議申し立て控訴・上告

【給料未払い】少額訴訟が向いているケースとは?

少額訴訟が向いているケースとして考えられる例には、以下のようなものがあります。

  • 請求金額が60万円以下
  • 早期解決を望んでいる
  • 証拠が十分に揃っている
  • 事件がシンプル
  • 相手方が少額訴訟に賛成している
  • 和解できそう
  • お互い弁護士を雇わない

少額訴訟という字面からもイメージできるように、比較的シンプルで早期に解決できそうなケースが多いです。

少額訴訟にかかる費用はどのくらい?

少額訴訟にかかる費用は、「収入印紙代」「郵便切手代」「交通費」「弁護士費用」の4つです。それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

収入印紙代の場合、以下のように請求する金額によって変わります。

  • 〜10万円:1,000円
  • 10〜20万円:2,000円
  • 20〜30万円:3,000円
  • 30〜40万円:4,000円
  • 40〜50万円:5,000円
  • 50〜60万円:6,000円

郵便切手は裁判所によって必要な金額が異なりますが、3,000〜5,000円程度のところがほとんどです。

この他、少額訴訟について弁護士に相談し依頼をすると、当然ながら弁護士費用がかかります。

一般的に相談料は30分5,000円程度、訴状の確認・作成に関しては数万円程度が相場となります。

また、手続きそのものを代理人として依頼すると10万円以上かかる可能性もあります。

【給料未払い】少額訴訟の流れとは?

未払い給料で少額訴訟を行う場合の全体的な流れは以下の通りです。

  1. 提訴(訴状・証拠処理などを提出)
  2. 口頭弁論期日の連絡
  3. 期日に向けて事前準備
  4. 答弁書の提出・送達
  5. 口頭弁論期日開催
  6. 裁判当日中に裁判官が判決

基本的に、提訴先の裁判所は相手の所在地を管轄している簡易裁判所です。ただし、場合によっては原告の所在地の簡易裁判所で訴訟を起こすケースもあります。

少額訴訟をする際のリスクとは

少額訴訟を行うと、スピーディーに問題が解決するというメリットが存在しますが、デメリットももちろん存在します。そこで、ここからは少額訴訟におけるリスクをご紹介していきます。

少額訴訟をする際のリスクとして考えられるのが、以下の3パターンです。

  • 相手が同意しなければ通常訴訟へ移行
  • 判決が出ても不服である場合には通常訴訟となる
  • 判決が出ても和解できない場合には取り立てができない可能性もある

このように、少額訴訟を行う場合にはリスクもありますので覚えておくと良いでしょう。

まとめ:給料未払いで起こる少額訴訟とは?対処に必要な費用やリスクも解説!

給料の未払いがある場合、その請求方法として少額訴訟を起こされる可能性があります。

何も知らない状態や知識がないまま少額訴訟を起こされてしまえば、ほとんどの方が慌ててしまうでしょう。

そのような事態が万が一起こってしまった場合でも冷静に対処できるよう、今回解説したことを参考にしてください。

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