日本政策金融公庫は政府系金融機関として、幅広い事業者に利用されています。そして金利が低く創業時の融資にも対応していることから、人気が高い存在として知られています。
この記事では、そんな日本政策金融公庫の融資を受けるメリットとデメリットを解説していきます。
Contents
日本政策金融公庫の融資の特徴
まずは、日本政策金融公庫について詳しくない方のために、どのような機関なのか見ていきましょう。
2008年10月に設立された日本政策金融公庫(正式名称:株式会社日本政策金融公庫)の管轄は財務省で、100%日本政府が出資しており国内に5つある政策金融機関のひとつとして国民に広く利用されています。
日本政策金融公庫は民間の金融機関を補完することを目的に、中小企業事業/農林水産業/国民生活事業へのサポートを行っています。
民間の金融機関や信用保証協会から融資を受けられなかった事業者の方でも、書類作成を丁寧に行えば融資を獲得するチャンスがあります。
必要書類
申し込む融資制度によって必要な融資制度は異なりますが、共通するものとしては以下のものがあります。
・借入申込書
借入申込書は、全国の日本政策金融公庫の支店でもらうか公式サイトからダウンロードできます。
・2期分の決算書(あるいは確定申告書)
事業の状況を把握するため、そして所得証明のために決算書や確定申告書が必要です。
・最新の試算表(決算後半年を過ぎている場合)
試算表は、総勘定元帳をまとめた一覧です。
事業所の資産と負債を1つの書類で確認できるため、金融機関が資金繰りについて確認するときに用いられます。
・登記簿謄本(法人)
法人の場合は、それを証明するための登記簿の写しを提出しなければなりません。
社名・所在地・資本金・役員など会社に関する基本的な情報が記載されているため、会社の概要を簡単に知ることができます。
・身分証明書
運転免許証やパスポートなどが身分証明書として認められます。
日本政策金融公庫を利用するメリット
日本政策金融公庫で融資を受けるメリットには、以下のようなものが挙げられます。
融資や事業についての相談ができる
日本政策金融公庫は地域の活性化を目的のひとつとしているため、利益重視ではなく事業が良くなるためのサポート全般に力を入れています。
経営や事業、融資についてまずは相談したいという方にもおすすめです。
融資の実績が残る
融資を受けて返済を計画に沿って行った経歴は、実績となります。金融取引の実績を積むと、銀行など他の金融機関から融資を受けられる可能性も上がると考えられます。
金利が低い
ノンバンク系機関や銀行と比べても、日本政策金融公庫は年間の金利が低いのが特徴です。
特に300万円以下のいわゆる小口融資では、他の機関との利息の差は顕著に表れています。
日本政策金融公庫のデメリット
日本政策金融公庫を利用するデメリットとしては、
・審査期間が長い
・制度によって保証人が必要
という2つがあります。
審査機関に関しては、日本政策金融公庫へ申し込みをしてから融資の実行まで、平均で1ヵ月ほどかかるとされています。
ノンバンク系のビジネスローンが最短即日、銀行が数週間と考えるとこれはかなり長い期間と言えるでしょう。
ですので公庫から融資を受けたい場合には、早めに申し込みを行う必要があります。
また、利用する制度によっては保証人が必要になるケースもあります。無担保無保証で利用できる制度も存在しますが、担保や保証人を付けるケースと比較すると金利が高い水準となってしまいます。
日本政策金融公庫の審査が通らないときの対処法
日本政策金融公庫の審査に落ちてしまった場合、以下の要素にあてはまるかどうかチェックしてみてください。
もし当てはまるものがあれば、まずはその問題を解消しましょう。
- 申し込んだ人の信用情報がクリーンでない
- 税金の支払いを延滞している
- 事業計画や経営計画書がずさんである
- 融資額に対して自己資金が少ない
- 面談で事業についての説明ができていない
日本政策金融公庫の場合、審査に落ちてしまうと6ヶ月間はデータとして記録が残りますので、闇雲に申請せず事前の準備を万端にして臨みましょう。
まとめ:日本政策金融公庫の融資を受けるメリット・デメリットを解説!
本記事では、日本政策金融公庫の特徴から融資を受けるメリットやデメリットを広く解説しました。
そして、金利が低く融資制度などのサポートが充実している一方で、審査に時間がかかることが分かりました。
融資を専門的に行う機関ですので、存在や概要を知っているだけでもいざというときに役立つ可能性が高いでしょう