会社における固定費は売上にかかわらず発生するため、固定費の削減を考えることは収益性向上のために欠かせません。
しかし、固定費削減を検討していても「何から手をつければいいのか分からない」という場合もあるでしょう。
そこで今回は、コスト削減に直結する固定費の節約術について解説していきます。
固定費を節約するメリットと注意点について
本題に入る前に、固定費の節約におけるメリットと注意事項を整理しましょう。
固定費節約のメリット
固定費節約のメリットは、一旦見直しによって削減に成功すれば、その後効果が持続するという点です。
たとえば、現状の業務から機械化できる可能性のある業務を洗い出し、自動化に成功すれば、それ以降人件費はかからなくなります。
このように、固定費を見直したり考え方を変えることによって、大きな効果をもたらすのです。
固定費節約の注意点について
固定費の節約メリットは、先に述べたとおり継続してコストを削減できることです。
しかし、そのために通話料を減らそうとスマホの通話時間を減らしたり、こまめに電気を消すといった、小さな節約術に取り組むのはあまりおすすめしません。
たとえば、電気代を節約するのであれば電力会社の見直しをしたり、お得なプランに変更するなど、節約額の大きいところから根本的に考える必要があります。
固定費削減方法について
それでは、固定費削減の方法について具体的に見ていきましょう。
今回は大きく、「人件費」と「人件費以外」の項目に分けて削減方法を紹介します。
人件費の削減方法
- シフトに無駄を出さない工夫をする
- 単純作業のパート、アルバイト化を図る
- 能力給の導入などにより労働意欲を高める
- 業務内容や作業工程の改善を図る
- 勤怠管理システムを活用し人件費をコントロールする
- 人材派遣や外注を活用する
- 機械化が可能な点は機械化をすすめる
人件費削減のポイントは、効率化と無駄を省く点にあります。ノウハウがなくてもどなたでも可能な作業はアルバイトに任せたり、シフト管理を徹底したりすることにより早い段階で結果は見られるでしょう。
しかし、コスト削減によって従業員のモチベーションが下がるリスクなどがありますので、人件費削減の際はリスクと照らし合わせて実施することをおすすめします。
人件費以外の削減方法
- 広告を見直して効果のないものは廃止
- 広告を見直して他の広告宣伝手段がないか検討
- 地代家賃の値下げ交渉を行う
- 社用車のレンタカー、カーシェアリング化を図る
- 書類のペーパーレス化を図る
- 自社の適正規模を考える
- 通信費の契約プラン見直し
- 保険の見直し
人件費以外の削減ポイントは、再確認と見直しを図る点にあります。たとえば、チラシなどのアナログな宣伝方法で効果が見られなければ、リスティング広告やSNS広告などのWeb広告に切り替えたり、保険の見直しによって保険料と補償の両方が良くなる場合もあります。
節約しながらも効果が改善されることはありますので、現在行っている手段とは別のものがないかを探しましょう。
変動費の経費削減方法
会社で収益性を上げるためには、損益分岐点を引き下げることが重要です。そして、損益分岐点を引き下げるためには、固定費と変動費を削減することが必要になります。
固定費の削減方法については前項で紹介しましたので、続いて変動費の削減方法を見ていきましょう。
- 仕入れ先との価格交渉
- 外注先との価格交渉
※変動費を削減する場合、品質低下のリスクに十分注意しましょう。
経費削減を考えるには、まずは固定費の中から削減できるものを探して、その後変動費の中から売上に影響を受けにくいものを削減していきます。
いずれにしても、まずは現状をよく把握することから始まり、削減効果と売上に与える影響のバランスを見ながら実行するようにしましょう。
まとめ:コスト削減に直結する固定費の節約術をご紹介!
いかがでしたか?今回は、主に固定費の節約術について説明しました。
会社の収益性向上のために、変動費と固定費を分けて考え、それぞれに節約方法を考えましょう。
また、特に取り組むべきは効果の持続しやすい固定費の削減ですので、まずは現状把握から行い、取捨選択していきましょう。