「夫の会社が倒産した場合には妻である自分にどのような影響があるのだろうか…」
「夫の会社が倒産した場合には自分の財産も無くなるのだろうか…」
このような疑問はありませんか?
上記の疑問にあるように、夫が経営する会社が倒産してしまった場合、配偶者である妻や子供にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
そこで本記事では、夫が経営している会社が倒産した場合における妻や子供への影響について解説していきます。
Contents
法人であれば個人と会社は別で考えられる
まずは法律上の扱いを見ていきましょう。法律では、法人と個人、夫と妻はそれぞれ独立した存在として扱われます。
会社経営者である夫が連帯保証人となっていた場合、会社の倒産時には返済義務が生まれ、返済・債務整理・自己破産のいずれかを選ぶかは個人の事情によって異なります。
自己破産した場合について
連帯保証人として返済能力がなく自己破産となった場合は、破産法第34条によって20万円以上の価値がある財産は換価処分して債権者へ配当しなければなりません。(持ち家・車・不動産などが該当)
ただし、ローンを支払い終わったものや一括で購入したものは、それらを売却することで債務返済ができるかもしれませんので、連帯保証人であっても自己破産を回避できる可能性があります。
家はなくなるのか?
家を担保に入れて融資を受けた場合は、抵当権を行使し没収されます。ただし、自己破産申立てから手続きが完了するまでは半年から1年ほどかかり、その間は自宅に住み続けることができます。
生活の必需品である家具・寝具・衣服・燃料等は差し押さえが禁止されていますが、賃貸物件に住んでいる場合は基本的にはそのまま住み続けられます。
自己破産すると家族の財産には影響するのか?
前項は破産申し立てを行った本人が対象ですので、配偶者として扶養に入っていたとしても、妻の財産や生活には基本的に影響しません。
そして、妻の預貯金や以前から妻や子供名義の財産は残ります。
経営者の家族や、役員の財産は守られる?
先ほどご説明した通り、債務者とその家族は別で考えられます。ただし、破産申し立ての前後に名義が変更されていたり、不審な資金の動きがあった場合はこの限りではありません。
管財人の調査により不正が発覚した場合は返還が求められます。
たとえば、倒産直前なのに高額や賞与が支給されていたり、会社の土地や車などの名義が意図的に変えられていたりした場合などは、財産隠しとして判断されます。
また、妻が専業主婦である時は注意が必要です。妻名義の財産であっても、専業主婦の場合は資金の出どころが夫と判断されるため没収されることもあります。
ケースにもよりますが、自動車・保険などは裁判官の判断により没収される可能性もあります。夫が資金を出したのではない場合、その旨を弁護士に相談して証明できる書類等を揃えましょう。
経営者の妻や子供への影響が発生する場合
破産をしても、基本的には家族へ影響しないことはすでにご説明した通りです。
しかし、例外となる事例もあるので以下からご紹介します。
実態が怪しい場合
先ほども例外について軽くふれましたが、妻名義の財産であったとしても資金の出どころが夫(破産者)と判断されると没収対象となることもあります。
例えば、
- 自動車
- 保険
- 株などの有価証券
- 不動産
などの、出どころが夫と判断されたものは換価処分の対象となります。
共働きでなく専業主婦で自分のお金で資金を増やした場合(婚前の貯金など)は、通帳などを提出しましょう。
相続した場合
債務者が亡くなった場合、お子さんが財産を相続すると債務も相続されます。相続放棄を行いたい時は、3ヶ月以内に家庭裁判所に申請して相続放棄の手続きを行いましょう。
まとめ:夫が経営している会社が倒産したら妻や子供に影響は出る?
破産は本人以外の家族にとって基本的に影響はありませんが、配偶者が保証人となっている場合や夫が妻の名義で財産を購入した場合など例外もあります。
また、その判断も裁判所や裁判官によって異なるので一概に言うことは難しいです。本文で紹介したケースにあてはまりそうな場合は、弁護士に相談してどのような処遇になるか早い段階で確認しておきましょう。