2020.12.9

債権者集会と免責審尋とは?同じ期日に開催されるの?

管財事件の場合には債権者集会と同時に行われる「免責審尋」ですが、免責審尋では裁判官から事情について聞かれるため、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、免責審尋の基礎知識や流れについて解説していきますので、不安に感じられている方のお力になれれば幸いです。

そもそも免責審尋とは?どんなことをするの?

そもそも「免責」とは、債務の返済義務を免除するという意味があります。

「審尋」とは、民事手続上において書面もしくは口頭で、当事者やその他の利害関係がある人に、自由方式で陳述の機会を与えることを指します。

つまり「免責審尋」とは、「免責させてもいいのか」という点について裁判所が直接判断するため、債務者(破産者)本人を裁判所に呼び、事情を聴取する手続きになります。

裁判官と面接を行い、「免責相当かどうか裁判官に判断してもらう」といった手続きとなっており、弁護士が代理人となっている場合には短時間で終了するのが一般的です。

免責審尋の事例

免責審尋を実施するかどうかは、それぞれの裁判所によって運用方式が異なります。

そこで、ここでは東京地方裁判所本庁・名古屋地方裁判所本庁・名古屋地方裁判所岡崎支部ではどのようになっているのか紹介していきます。

まず、「東京地方裁判所本庁」では、管財事件(少額管財含む)・同時廃止事件いずれも必ず免責審期日が設けられます。少額管財の場合、債権者集会とは別に行われるわけではなく、債権者集会と同じ日時に行われ、同時廃止事件の場合は法廷で行われます。

名古屋地方裁判所本庁の場合、基本的に全件において免責審尋が行われますが、岡崎支部などでは、免責について問題のない同時廃止事案については、免責審尋が行われません。

このように、免責審尋が実施されるかどうかは裁判所によって異なるのです。

免責審尋から免責許可決定までの流れ

裁判所によって異なりますが、免責審尋は破産申立をした数名の方が集団で裁判官と面接する「集団審尋」という形式で実施するケースもあります。

裁判官から事情を聞かれる際には緊張する人も多いでしょうが、弁護士が同伴してサポートしてくれますので恐れる必要はありません。

とはいえ、裁判官から「免責とはどのような意味なのか理解しているか」などといった質問を、個別にされるケースもあるため、気を抜かずにきちんとした姿勢で臨みましょう。

免責審尋が終了すると、即日〜1週間ほどで裁判所から免責許可決定が出されます。

その後さらに1ヶ月ほど経つと免責許可決定が確定し、税金などの例外を除外した全ての債務において支払い義務の免除がされます。

法人破産手続きの流れを紹介

ここからは、法人破産手続きの流れを紹介していきます。

  1. 破産手続開始申立:書類を揃え、管轄の裁判所へ手続開始の申立を行う
  2. 債務者審尋:債権者数・財産・負債・破産申立を行うまでに至った経緯・事業内容などについて裁判所で審尋(面談)を行う
  3. 破産開始手続決定:債務超過などの破産法上の要件を満たした場合、破産手続が開始される
  4. 破産管財人の選任:会社の財産を換価し、手続きが適正かを判断する管財人の選任
  5. 債権者集会:破産管財人により債権者に対する説明・管財人による負債や財産の換価結果・今後の見通しなどの報告
  6. 債権確定:債権者が届出た債権届けが適正であれば債権額が確定
  7. 配当:会社に資産や財産があれば債権者の債権額に従い、按分して配当
  8. 破産終結決定:事案の複雑さにより異なるが、少額管財であれば破産手続開始決定から終結決定まで約3ヶ月〜6ヶ月ほどかかる
  9. 免責審尋:法人代表者などについて同時に破産申立を行った場合、債務を免れるかどうかを裁判所が判断する期日が開催
  10. 免責決定・免責不許可決定:法人代表者などについて債務を免れさせてよいかについて裁判所が判断

まとめ:債権者集会と免責審尋とは?同じ期日に開催されるの?

いかがでしたでしょうか?

免責審尋は、管財事件の場合では債権者集会と同じ日時に実施され、同時廃止事件では法廷で実施されます。免責について裁判官と面接を行うため、緊張される方も多いと思いますが、弁護士の方に同席してもらえるため安心でしょう。

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