「会社を本気で再生させたい…」
「企業再生において大切なことを知りたい…」
売上が低迷するなか、必死に再生を目指している経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?企業を再生させるためには、経営者がしっかりと意識しなければならないことがあり、それが再生できる企業の特徴にもあります。
今回は再生できる企業の特徴や、経営が危険な状態であるかというチェックに至るまで解説していきます。
Contents
再生できる企業の特徴
再生できる企業と破綻してしまう企業には特徴があり、再生してきた企業の経営者は立ち直るための気迫と、なんとしてでも復活するという強い意思を持っています。再生に向けた強い意志が経営者だけでなく、幹部を含めた社員が一丸となって持っていればその可能性は高まるでしょう。逆に破綻してしまう企業は、再生したいという思いがあったとしても経営者が心からそれを強く持てなかったことにより、行動に反映されぬまま諦めてしまう場合が多くあります。
つまり、再生のためには経営者ががむしゃらになって努力をしなければ実現することができず、その分のバイタリティが必要であるということです。企業の再生は長期にわたることがほとんどであり、その間に債権回収が早まる可能性やさらに経営が不安定になることも考えられますので、精神的に折れることのない気力が何より大切なのです。
もちろん再生のためには、どう経営改善させるかという緻密な戦略も当然必要になってきますので、経営者の強い意思と戦略が組み合うことが再建のために重要な要素と言えるでしょう。
銀行から見た企業判断~企業格付け~
経営をしていれば銀行との付き合いが生まれてくるわけですが、銀行は融資を行ったりする上で、その判断のために格付けを行っています。
- 正常先…業績が良好であり、財務内容も問題がないとされる会社。
- 要注意先…業績が悪化しており注意が必要な会社。または財務内容に問題がある会社。
- 要管理先…返済条件を緩和している会社。
- 破綻懸念先…経営破綻の状況ではないが経営破綻になる可能性の高い会社。
- 実質破綻先…融資の返済が滞っていたりして再建の見通しがない会社。
- 破綻先…倒産や民事再生法、破産宣告などをした会社。
銀行側としては、貸付を行う以上貸し倒れが起こり得ることも想定しなければならず、どのような企業に対しても融資を行っているわけではありません。破綻先や実質破綻先、破綻懸念先と格付けによって判断されれば、その会社は融資の対象から外れることになります。
その逆で業績が良好であり財務内容も問題がない正常先であると格付けされれば、金利は低く融資も積極的に行ってくれます。晴れの日に傘を貸して雨の日に傘を貸さないという言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、この格付けを知ればその言葉にも納得がいきます。
このような企業は経営が危険な状態
経営が危ぶまれてくると、さまざまなものに手を出すことになったり、断られてしまうものが増えたりしますが、下記に当てはまるものがあれば、破産に向けた行動が必要かもしれません。
役員報酬が遅延している・従業員への給与が遅延している・融資の書き換えを断られて回収された・リースが組めない・手形を割ることをこばまれる・2回以上運転資金を親戚などから借りている・資金ショートを複数回している・社会保険や税金を滞納している・売上が継続的に低下している。
あらゆる支払いのなかで、社会保険や税金は返済の優先順位が高く、滞納が続くことによって期限の利益の喪失につながってしまうものです。そうなれば、金利がかかり金額も膨れ上がってしまう点に注意が必要です。
再建から破綻までそれぞれ
経営は必ずしも成功するとは限らず、破綻することもあり得ます。危ぶまれた状況から経営革新などによって再生した会社もあれば、中小企業再生支援協議会による力を借りて再生した会社もあります。また、破綻と言っても最善の誠意を示し、家族への影響を最小限に抑えた破綻から、夜逃げに近い形で破綻してしまう会社もあります。
最も避けなくてはならないのは、経営者としての責任を果たさずに夜逃げに近い形で破綻してしまうことです。ポジショニングを判断したり、経営革新の策定、迅速な対処によってV字回復となることもありますし、中小企業再生支援協議会に相談することで破産以外の道をアドバイスしてもらって再建を目指すこともできるのです。また、冒頭の方でお伝えした経営者が強い意志を持つことが大切で、その意思があれば再建の道が開けたり、夜逃げと言った最悪の事態にならずに済むでしょう。
まとめ:再生できる企業の特徴や経営が危ぶまれる状態について解説!
いかがでしたか?再生できる企業は、経営者が再生のために強い意思を持っているという特徴があり、社会保険や税金を滞納している場合には破産に向けた行動が必要であるということでした。まだ売上が低迷していない企業の場合は、将来に備えて格付けで悪い評価を受けないように経営しましょう。
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