倒産や破産をした後、同居家族だけではなく実家の家族に迷惑がかかるのかが気になる点かと思います。
また、自己破産したことを、離れて暮らす家族に知られずにいることは可能なのでしょうか?
そこで本記事では、自己破産した後の実家への影響をテーマに解説していきます。
倒産や破産は経営者本人の問題
倒産または破産をしたことは、あくまでも債務者である経営者本人の問題です。そのため、実家の家族や親戚に通知が行くことはありません。
原則的には会社と経営者も別人格として考えられているのですが、なぜ会社が倒産すると自己破産される経営者が存在するのかというと、事業資金を調達する方法に関係しています。
ほとんどの場合、銀行などから事業の運転資金を融資で調達していることと思います。事業の運転資金は金額が多いこともあり、ほとんどの制度で保証人が必要となっています。
そして法人などの場合、会社の代表者が連帯保証人になるのが一般的ですので、会社が倒産して債務が残っていると会社の代表者に請求が行くのです。
- 法人の債務がない
- 債務の金額が少ないため経営者の資産で返済可能
- 債権者が無理のない範囲で分割払いに応じた場合
などは自己破産する必要はありません。
両親や家族には返済義務はない
たとえ両親や家族であっても、両親や実家の家族に債務が請求されることはありません。
それは同居している夫婦間、親子間でも同様です。
これは、先ほどご説明した通り、法律上はあくまでも債務者本人の問題と見なされるためです。
ただし、ご家族が連帯保証人になっている債務がある場合はその限りではありません。
家族が連帯保証人になっている場合には返済義務がある
事業用の資金でなくても、例えば住宅や車のローンなどでご両親が連帯保証人となっている場合には、自己破産後に残額が一括で請求されます。
たとえば、銀行から200万円借入し、50万円は換価処分した分が配当されたとします。この場合、連帯保証人となった人には、残りの150万円を返済しなければならないということです。
自己破産したことが実家の家族に気付かれる可能性はある?
家族が連帯保証人でない限りは、自己破産したとしても実家の家族に伝わることは基本的にありません。ただし、自己破産をする前に債務の支払いが滞っている場合には、金融機関からの督促の連絡が行く可能性があります。
同居する家族の場合は?
家族が同居している場合は、自己破産が気付かれる可能性は高まるでしょう。
結婚している人であれば配偶者の収入証明書も必要となるため、家族のなかでも配偶者に秘密にすることは難しいと考えられます。
借りたお金で実家に援助していた時はどうなる?
では、実家の経済状態が思わしくなく、債務者が借りたお金を実家に生活費として援助していた場合はどうなるのでしょうか?
通常、財産を破産前に自分以外の家族に渡したりすることは「財産隠し」と判断され、受け取った資産を返還することが求められます。
しかし、上記の場合は弁護士に相談し報告書を提出して、必要性があったと判断されれば免責される可能性があります。
その際にはきちんと丁寧な説明が求められますし、裁判所や裁判官または譲渡した金額によって、判断が変わることも押さえておきましょう。
まとめ:倒産・破産した場合には実家の家族に何らかの影響があるのか?
この記事では、経営していた会社が倒産し自己破産した場合には実家に影響が出るのか?という点について解説しました。
本文でも触れた通り、自己破産はあくまでも債務者だけの問題です。連帯保証人になっていたり、同居していない限り自分から伝えなければ知られる確率も低いでしょう。
ただし、自己破産後はクレジットカードなどが作れず金銭的面で家族に協力してもらうこともあるかもしれませんので、できれば自己破産することを報告した方がいいでしょう。