経営者が資金繰りにストレスを感じて、諦めてしまいそうになる状況に陥ることはあります。しかし、どのような時に経営者はストレスを感じてしまうのでしょうか。
本記事では経営者のストレスを分析し、どうすればそのストレスから解放されるのかについて解説していきます。
資金繰りや経理がストレスで嫌になったときは
事業がうまくいっていれば、それほどプレッシャーやストレスを感じることはないのかもしれませんが、経営には、浮き沈みやトラブルがつきものです。
なかなか売上が上がらなかったり、失注したり、資金繰りに苦しんだりすると、経営者は蓄積されたプレッシャーやストレスもあって、疲れを感じてしまうこともあります。
経営者が疲れたと感じてしまったときに、それを緩和していければいいのですが、その疲れが従業員に伝わると、会社全体の士気が下がってしまうこともあるかもしれません。
士気が下がって従業員の働く意欲やモチベーションが低下した状態では、業績もなかなか向上しないでしょうし、資金繰りはもっと悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
そういった負のスパイラルに陥らないようにするためには、どうすればいいのか続いて見ていきましょう。
ストレスを溜めないために資金繰り表を活用
資金繰りがうまくいっていれば会社は倒産しませんし、経営者のストレスは軽減されます。資金繰りを管理して見える化するために、資金繰り表を作成することをおすすめします。
資金繰り表作成を後回しにしないこと
売上を上げることも重要ですが、費用がいくらかかるか、融資なども含めて資金が十分にあって、「お金がうまく回るか」を確認しておくことが最も重要です。
経営者の中で、お金の流れを十分に把握している人は驚くほど少ないです。事業の運営が忙しくて、資金繰り表なんて作っているヒマがないと思われるかもしれません。
しかし、資金繰り表を作成する手間を惜しんで後回しにしたばかりに、業績は悪化の一途をたどってしまうという状況もあり得ます。
資金繰り表の作成手順
「資金繰り表」を作るには、まず銀行の通帳を用意しましょう。通帳に記載されているお金の出入りで、キャッシュフローを読み取ることができます。
現金での支払いもあるでしょうが、現金の支払いは出金伝票などが残っているでしょう。それも確認しながら、通帳で入金と出金の記録を拾っていき、過去1、2年の「資金繰り実績表」をエクセルの表などで作りましょう。
項目は会社によって違ってくると思いますが、「入金」「出金」「仕入れ」「外注費」「給与」「オフィス賃料」などすべての項目を入れます。すべて入力したら、入金から出金の合計を差し引いて、月あたりの収支を出します。この収支に前月からの繰り越しを足します。
「資金繰り実績表」ができたら、次にこの先3ヵ月から半年間程の「資金繰り予定表」を作成していきましょう。過去の実績表の項目を見ていくと、「オフィス賃料」や「水道光熱費」など、規則性のある出金が見つかると思います。
そういった規則性のある出金を、「資金繰り予定表」で引き落とし予定日に入力していきましょう。
その後、売上の入金や仕入れや外注費の出金も入力していきます。
売掛金を回収して入金されるまでに、日数がかかると思いますが、資金繰り表には、入金予定日に入金を入れていきましょう。
資金繰り表から分かること
入金より先に仕入れなどの出金がある場合、資金繰りが苦しい月が出てくるでしょう。もし「資金繰り予定表」で残高がマイナスになる月があった場合は、そこが資金繰りの厳しくなる月であると分かります。
つまり「資金ショート」が起こることが予想される月ですので、その前に対策を講じるようにしましょう。
入金が少ないことが予想される場合は、売上自体が少ないか、売掛金の回収が遅いということでしょうから、どちらかを改善しましょう。
出金が多いことが予想される場合は支払いを減らすか、延ばすことが資金繰り改善につながります。
入金や出金の調整だけで、解決できない場合は、融資を受ける手続きを進めていきましょう。銀行などの担当者に連絡して、融資の申し込みをしますが、その際にも資金繰り表を作っておくと、説明がしやすくなります。
まとめ:資金繰りや経理にストレスを感じたときの対処法
以上、経営者がどんな時にすべてに疲れたと感じてしまうのかを分析し、どうすれば、そのストレスから解放されるのかについて解説してきました。
その解決法は、結局お金の流れを見える化するために、「資金繰り表」を作成するということになるのですが、手間を惜しまず必ず用意するようにしましょう。