2020.10.30

少額債務で破産しても生活保護は利用可能?

債務が少額ですと自己破産をしたり、生活保護を受けるのは難しいとお考えではありませんか?しかし実際には、この2つの制度を利用するには債務の額は関係ないのです。

この記事の中で、自己破産や生活保護を申請する条件などについて解説していきます。

債務が少額でも自己破産は可能

自己破産をすると言うと、巨額の債務がある人が利用する制度というイメージがあります。

もちろんそれは間違ってはいませんし、実際大きな額の債務を整理するために自己破産を選択する人もいます。

しかし、自己破産において重視されるのは「返済が可能かそうでないか」という点です。

「自己破産をするなら債務の額は〇〇円以上から」という決まりはありません。

なぜかというと、どれくらいの金額が返済不能になるかはその人により違うからです。

同じ5,000万円の借金であっても、1億円の財産を持つ人と1,000万円の人では債務回収の実効性が異なります。

  • 支払い能力なし
  • 債務の支払い期限が来ている
  • 支払い能力のない状態が客観的にも明らかで継続している

上記が認められれば一般的に少額と言われる100万円以下の負債でも、自己破産できる可能性もあると言えます。

「債務があると生活保護は受けられない」のウソ・ホント

「債務(借金)があると生活保護は受けられない。」という噂がまことしやかに流れていることもありますが、これは事実ではありません。

借金がある状態でも生活困窮状態にあると認められれば、生活保護を受給できる可能性はあります。

これは、自己破産と同様に、生活保護も「債務の金額」が受給の条件ではないためです。

  • 最低限の生活を送るための収入や財産がない
  • 支援制度を利用しても最低限の文化的な生活を受けられない
  • ケガや病気で働けない
  • 家族や親戚に金銭面での援助が頼めない

上記が生活保護受給の条件になります。

申請時に書類を提出すると実地調査や資産の調査が行われ、家や車などの財産を保有している場合は受給対象とはなりません。

ただ、「借金が少ないから自分でなんとかできるだろう」という理由から受給を断られることもありません。

生活保護で受給できる費用の種類

続いて、生活保護で受給できる費用の対象を見ていきましょう。

家賃(住宅扶助)決められた範囲の中で実費を支給
食費や光熱費等(生活扶助)基準額を算出して支給(母子加算等あり)
教育のための学用品(教育扶助)基準額を算出して支給
医療費(医療扶助)本人負担なし
介護費(介護扶助)本人負担なし
出産にかかる費用(出産扶助)範囲内の中で実費支給
就労のための技能取得(生業扶助)範囲内の中で実費支給
葬祭にかかる費用(葬祭扶助)範囲内の中で実費支給

受給決定後はどのような生活を送る?

生活保護の受給が決定すれば、収入の状態を毎月報告します。ケースワーカーが年に数回訪問調査を実施し、今後就労の可能性があると判断された場合はその指導もされます。

少額の債務整理で破産しても生活保護は利用できる

先ほども触れた通り、生活保護の受給条件に債務は関係ありません。文化的な生活を送るのが難しいと判断されれば、自己破産後であっても前であっても生活保護は受給できます。

また、自己破産前に生活保護を受けていれば、自己破産時の費用が免責されるものもあります。しかし、生活保護費を借金返済に充ててしまうと不正とみなされ生活保護が打ち切られる可能性があるため、自己破産後に生活保護を申請するようケースワーカーが指導することもあります。

まとめ:少額債務で破産しても生活保護は利用可能?

少額の債務であっても、自己破産した後はその後の生活を送るのが経済的に困難になるケースもあります。

ローンを組むことも難しくなるため、厳しいなと感じればまずは相談してみてください。

生活保護の受給対象にならなかったとしても、支援制度などを紹介してもらえる可能性があります。

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