会社倒産した後に自己破産手続きを行うと、手元に残る財産はそれほどありません。また、再就職が厳しいケースもありますので、生活保護を受けたいと考える方もいるかもしれません。
この記事では、会社倒産して自己破産をした後に生活保護は受けられるのか?というテーマでお届けしていきます。
自己破産後は生活保護を受給できないって本当?
自己破産のイメージとして、その後の生活や権利に制限が生じるとお考えの方も多くいるようです。
しかし、実際は自己破産後も生活保護を利用することも可能です。
自己破産の目的は支払いができなくなった債務を整理することで、裁判所へ手続きを行い、家や車、事業所などお金に換えられる財産を回収して債権者に配当してもらいます。
配当が終われば免責といって、それ以降の養育費など例外を除いて債務の支払い義務が消滅します。
しかし、信用情報に5年から10年ほど自己破産したことが記録されるため高額ローンやクレジットカードの使用はできなくなるなどの制限は生まれます。
ただ、噂されるように選挙権などの権利がなくなったり、周囲の人に知らされたりすることはありません。
生活保護について
生活保護は、自分の力で最低限の文化的生活を送ることが難しいという場合に利用できる制度です。憲法第25条で保証され、最低限の生活を送るために必要な費用が受給できます。
- 病気やケガで働けない
- 収入がないか、生活費に満たない
- 生活費に充てられる財産などがない
- 家族、親族から金銭的援助が受けられない
- 生活保護以外の支援制度が使えない
という条件を満たしていれば受給できます。
生活保護と自己破産でよくある疑問
ここからは、生活保護と自己破産についてよくある疑問をご紹介していきます。
生活保護と自己破産の申請には順番がある?
自己破産と生活保護申請のタイミングは、どちらの申請を先にしても問題ありません。自己破産をする前でも、生活が厳しく生活保護受給の要件を満たしていれば任意のタイミングで申請ができます。
ただし、生活保護費はあくまでも生活費に使うために支給されます。債務の返済には使わないでください。
自己破産における弁護士費用がだせない…生活保護を受けている場合でも支払う必要がある?
法テラスでは生活に困窮している人に向けた、民事法律扶助制度が利用できます。これは自己破産の際に利用することで弁護士費用を立て替えしてもらえるもので、法テラスが定めた一定の条件をクリアして、手続き後に分割返済します。
生活保護を受けている場合はこの費用が免除されることもありますので、審査を受けることをおすすめします。
生活保護を受けている時にお金は借りられる?
貸し手さえいれば生活保護を受けていてもお金を借りることは実質可能です。しかし、生活保護受給中であることを隠してお金を借りることは、虚偽申告をしたとしてトラブルが起こりかねません。また、収入とみなされますので原則認められているものではありません。
さらに言えば、生活保護を受けていると分かれば、貸付の判断をしないケースも多いので金融機関からの借り入れは難しいでしょう。自己破産後は信用情報が共有されているので、通常よりもハードルが高くなります。
もし、どうしてもお金が必要だという場合は自治体に相談してみてください。貸付制度を紹介してもらえる可能性もあります。
まとめ:会社倒産後に自己破産をした場合でも生活保護を受けることは可能なの?
会社の倒産などが原因で、収入や生活に不安がある場合は生活保護を受給するのも選択肢の1つです。
もちろんだれもが受給できるわけでなく一定の条件は設けられていますが、ケガや病気などで働くのが困難な場合などに役立つ制度です。
自己破産を行う前に申請すると、債務整理を先にするように勧められることもありますので弁護士によく相談しましょう。