融資や借入金には金利が発生するものですが、融資を検討中の方であればどのように金利が決められているのか気になりませんか?
金利の決め方について知ることで融資の調達先や、制度の選び方も変わってくるはずです。
そこで今回は、融資の金利の決まり方について解説していきます。
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銀行融資において金利は法律で決まっている?
融資やローンの金利は、利用する金融機関によって千差万別です。一般的なローンの場合は、利息制限法という法律に基づき上限が決められてます。
上限金利は貸出金額ごとに以下のようになっています。
・10万円未満 :20%/年
・10万円~100万円 :18%/年
・100万円~:15%/年
これらが金利の上限となります。
上限を超えると、超過した分は無効と判断されるので、超えた分の金利を請求されて支払う必要はありません。ただ、これはあくまでも個人に向けたローンの上限で、銀行などから事業のために資金調達を行う場合は対象外となります。
カードローンの場合金額に応じて金利が変わる
先ほどの金利上限はあくまでも上限ですので、実情よりも高い水準となっています。
実際のカードローンの金利の例としてメガバンク系のカードローンを参考にすると、
10万円~ 100万円 | 13.6~14.6%/年 |
100万円~ 200万円 | 10.6~13.6%/年 |
200万円~ 300万円 | 7.6~10.6%/年 |
300万円~ 400万円 | 6.1~7.6%/年 |
400万円 ~500万円 | 1.8~6.1%/年 |
というように借入する金額によって金利が変わるのが分かります。
少額の場合は金利が高く、多く借入すると金利が低くなるのは一緒ですね。
この数字は銀行系カードローンの会社のものなので、ノンバンク系の消費者金融や信販会社の場合は、より相場が高くなることが予想されます。
金融機関が金利を決める要素
では、事業者や法人向けに融資を行っている金融機関がどのように金利を決めるのかについても説明していきます。
平均的な金利は、固定金利と変動金利のどちらかが用いられます。
固定金利とは、借入時に金融機関と定めた利率のまま返済していくことです。
変動金利とは、短期プライムレートを基準にして利率が変化する方法です。
一概にどちらが良いとは断言できませんが、変動金利は景気や政策金利に影響されるというリスクも内在しています。そしてどちらの金利を利用するかは、金融機関ごとに決められているので、申請者が希望を出すことはできません。
融資の期間
法人の場合借入期間によって金利が変動します。一般的に借入期間が短いほど利息は低く、長いほどその割合は高くなります。
その理由としては、「長期間貸し出していると途中で会社の財務状況が変わるかもしれない」という理由からでしょう。
担保の有無
不動産や建物、資産などを担保にする場合とそうでない場合を比較すると、やはり担保ありの方が金利負担は抑えられます。
しかし、万が一返済不可能な状態に陥ったときは担保を差し押さえられることもあるため、リスクヘッジとして無担保の融資を選ぶ人もいます。
目的や融資の制度
自治体の中小企業制度融資では、利用する団体や制度によって利率が変わります。
神奈川県を例にすると、
・事業振興資金(中小企業全般を対象にした融資)
1年以内:1.6%/年
10年以内:2.6%/年
・新たな事業展開対策融資
新しい事業を展開するとき、新規販路を開拓するときのための融資制度です。
固定金利で利率は2.1%/年
このように、制度や融資獲得の目的によっても金利が変わります。
同じような条件の融資制度であっても、申請する団体によっても金利が変わることもあるので、事前のリサーチはしっかりと行いましょう。
なるべく低金利で融資を受けたいときはどうすればいい?
金利を抑えて融資を受けたいときの対策を、まとめて紹介します。
- 帳簿の精度を上げる
- 書面添付制度を税理士に依頼する
- 「中小企業の会計に関する指針」に準拠した経理を行う
- 会計の適正さを示すための「記帳適時性証明書」を用意する
- 経営や事業に関する書類を作成し資金の管理を強化する
- 株式会社の場合は企業防衛対策を講じて自己資本比率を高める
金利はその会社の信用によって決まる部分も大きいので、「計画性があること」「適切な資金管理を行っていること」をアピールできるようにするとよいでしょう。
まとめ:融資の金利はどのように決まっているのか?
事業の安定や成長のために、融資による資金調達はごく一般的な方法です。しかし、金利は利用する機関などによって大きな差もあります。
日本政策金融公庫などの金利が低い金融機関も、経済状況によって金利が変わるので事前にしっかりと確認した上で利用を検討しましょう。