2020.10.3

2020.10.3

破産と倒産は何が違う?それぞれの定義を解説!

会社の資金繰りが難航し、債務超過や不渡りを出してしまうなど事業の継続が困難になってしまった際、会社を畳む決断をしなければなりません。

ただここで注意しておきたいのが、「破産」と「倒産」は全く同じ意味ではないということです。

会社を畳むという意味では共通しているかもしれませんが、それぞれは異なる意味合いを持っているので正しく理解しておきましょう。

そこで今回は、破産と倒産の違いについて詳しく解説していきます。

破産と倒産、それぞれの定義とは?

破産と倒産の違いを理解する上で重要なポイントは、「法的な定義があるかどうか」にあります。

「破産」は法的な手続きの1つで、会社の保有する財産を処分することで債務を精算し、最終的に会社を消滅させていきます。これら一連の手続きを決めているのが、「破産法」です。

「倒産」についてはそもそも法的な定義はなく、会社を消滅させるという意味で一般的に使われている言葉に過ぎません。

破産法という法律は存在しますが、倒産法という法律は存在しないのです。

会社・法人での倒産と破産に違いはあるのか?

倒産とは、一般的に事業の継続が困難になるほど経営的に破綻した状態のことを指したり、債務の返済が困難になる状況を指します。

このような状態を指す言葉を倒産と呼び、最終的に債務を返済するために破産手続を行ったり、事業の再建を目指す民事再生を行ったりします。

そのため、必ずしも倒産=破産となるわけでない点に注意しましょう。

イメージとしては、倒産という大きな枠組みの中に破産というカテゴリーが存在するようなものです。

破産した会社は必ず倒産していると言えますが、倒産した会社が必ずしも破産しているわけではありません。

倒産・破産と似た「経営破綻・廃業」との違いについて

倒産と同じような意味合いで使われる言葉に、「経営破綻」や「廃業」などが挙げられますが、これらも厳密には異なる意味を持つ言葉です。

まず、廃業は事業を廃止することを意味する言葉で、債務の返済が困難であることや資金繰りが難航しているなどの前提が必須というわけではありません。

例えば、経営状況が難航していなくても、経営者が高齢になり事業を継ぐ人物がいない場合に廃業を選択することもあるでしょう。

一方の経営破綻というのは、経営がうまくいかない状態を指す言葉です。

会社全体の利益が支出よりも多くなるなどの場合に「経営が破綻した」などといった使われ方がされますし、会社で展開している事業の一部がうまくいかない場合に「事業が破綻した」といった意味合いで使われます。

このように「経営破綻」は会社を畳むわけでも、債務の精算を指す言葉でもなく、単純に経営状態を指す言葉です。経営破綻をしたとしても、そこから復活する企業も多くあります。

「倒産」「破産」「廃業」「経営破綻」など、同じような意味合いで理解される言葉ではありますが、明確に違いがあるのでニュースなどでこれらの言葉を見かけた際は意識して理解するようにしてみてください。

まとめ:破産と倒産は何が違う?それぞれの定義を解説!

今回は破産と倒産の違いについて解説していきましたが、いかがだったでしょうか?

同じような意味合いで使われる言葉でありますが、「破産」とは財産を処分し、債務を精算した上で会社を消滅させる法的な手続を指す言葉ということでした。

対して、「倒産」には法的な定義はなく、債務の返済に行き詰まり、資金繰りが難航している状態を指す言葉です。

それ以外にも「廃業」や「経営破綻」など似たような言葉はありますが、それぞれ厳密には異なる意味を持っているので、それぞれの言葉の意味をしっかりと理解して混同しないようにしましょう。

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